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2017.1.16

梅野弘之の入試コラム@

今年の入試は波乱含み?

「入試制度の変更を意識した受験勉強を」と話す梅野弘之氏

公立入試制度は、数年おきにその制度・仕組みに変更が加えられ今日に至っていますが、29年度公立入試では、「理科・社会の試験時間延長」と「一部の学校における『学校選択問題』の導入」という二つの変更があります。

はたして、これらが今年の入試戦線にどんな影響をもたらすでしょう。

今までと性格の異なる改革であることを意識しているか

今回の二つの変更は、受験勉強のやり方そのものに直接影響しそうであるという点で、これまでの制度変更と異なっています。

たとえば、過去に、「2回あった入試が1回に統一される」といった変更がありましたが、志望校選択の仕方に影響があっただけで、受験勉強のやり方そのものには、ほとんど影響がありませんでした。入試問題の内容・難易度・出題形式・配点については何も変わっていなかったからです。

今回の変更で特徴的なのは、出題内容や難易度など、入試問題そのものに関わる変化であるという点です。したがって、その影響は、事前の準備の仕方、すなわち受験勉強のやり方にも及んでくるはずです。

対策を練った人と練らなかった人の間に明確な差

今回の変更は、受験勉強のやり方に影響を与えるものですから、変更の内容を正しく理解し、それに対応した勉強をした人と、そうでない人との間に、はっきりした差が現れそうです。どういった対応が求められるかは、次回以降、具体的に説明しますが、「理科・社会の試験時間延長」にしても、「時間が延びるのか。少し余裕ができるな」という程度で、何も対策を練らなかった人と、「時間が延びると、どこにどんな影響が出るんだろう。それに合わせた勉強をしよう」と、対策を練った人との間には、明らかに得点差が生じます。

予想外の逆転劇が起こるかもしれない

着々と対策を練り、今回の変更に合わせた勉強をして来た人はさほど心配ありませんが、まったく対策を練って来なかった人は、入試本番で、「こんなはずではなかった」とショックを受ける恐れがあります。

その結果、日頃の順位差や得点差をくつがえす結果がもたらされるかもしれません。「今年の入試は波乱含み?」というのは、そのような意味です。

まだ時間が残されていますから、今回の変更内容が意味するところを再確認し、それに合わせた勉強をして行かなければなりません。

梅野弘之氏

一般社団法人埼玉学力向上協会理事長。元埼玉県公立高校教諭。広告会社・出版社勤務を経て、平成10年、株式会社メディアバンクスを設立。中学校・高校の募集・広報コンサルティング、入試関連イベント・同テレビ番組の企画、進学情報誌の編集発行などに携わる。入試関連イベントでは、さいたまスーパーアリーナで毎夏開催される「彩の国進学フェア」、同テレビ番組では、テレビ埼玉入試特番「公立高校入試の傾向と対策」などがよく知られている。全県の中学生に配布されている「よみうり進学メディア」の編集も担当。同紙に執筆中の「受験生?(はてな)」は、人気連載のひとつとなっている。昭和26年(1951年)、浦和市(現さいたま市)生まれ。埼玉県立浦和高等学校・上智大学卒業。