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2017.2.6

梅野弘之の入試コラムC

残り3週間はテーマをしぼった学習

本番直前は勉強の手を広げない。今までの見直しを

公立入試まで残り1か月を切り、受験生の皆さんは不安の真っただ中にいるのではないでしょうか。しかし、この不安はすべての受験生に共通のものであり、入試当日まで続くものです。そこから逃れる方法はありませんから、難しい注文になりますが、不安と戦うのではなく、それを受け入れるという気持ちになってほしいと思います。

勉強の手を「広げ過ぎてしまう」誤り

不安になった受験生が陥りがちなのが、勉強の手を「広げ過ぎてしまう」という誤りです。「あれもやっておかなければ」、「これも覚えておかなければ」と、勉強の範囲をどんどん広げてしまうのです。

気持ちはわかるのですが、このやり方は本番での力にはなりません。本番で頼りになるのは、中途半端な知識がたくさんあるより、その半分でもいいから確実な知識があることです。

勉強の手を「広げ過ぎてしまう」ことは、たくさんの中途半端な知識、すなわち本番では頼りにならない力を増やしているだけですから、このようなやり方は避けなければなりません。

今こそ必要な「選択と集中」という考え方

時間に限りがありますから、皆さんは、たくさんの課題の中から、「何をやるか」を選び取らなくてはなりません。裏を返せば「何をやらないか」をはっきりさせるということです。「何をやるか」を「選択」し、そして残りの期間は「選択」した課題の勉強に、時間的にも気持ち的にも「集中」するのです。

「何をやらないか」を決めるという考え方は、ある教科やある分野・単元について「捨てる」とか「あきらめる」という考え方につながるので、受験勉強の初期の段階では絶対に許されるものではありませんが、残り時間が少なくなった今、確実に点数を積み上げるためには、何をやり、何をやらないかをはっきりさせたほうがいいでしょう。

模試やテストの見直し

皆さんはこの1年間に多くの模試やテストを受けてきたと思いますが、その中で、ちょっとした勘違いや、ほんの少しの知識不足によって、惜しくも点数が取れなかったという問題はありませんか。こうした問題がもし本番で出て、また同じように間違ってしまったら、悔やんでも悔やみきれません。一度間違った問題は二度と間違わない。そんな気持ちを持って本番に臨めるように、今まで受けてきたテストの見直しをやってもらいたいと思います。

※このコラムの連載は今回が最終回です

梅野弘之氏

一般社団法人埼玉学力向上協会理事長。元埼玉県公立高校教諭。広告会社・出版社勤務を経て、平成10年、株式会社メディアバンクスを設立。中学校・高校の募集・広報コンサルティング、入試関連イベント・同テレビ番組の企画、進学情報誌の編集発行などに携わる。入試関連イベントでは、さいたまスーパーアリーナで毎夏開催される「彩の国進学フェア」、同テレビ番組では、テレビ埼玉入試特番「公立高校入試の傾向と対策」などがよく知られている。全県の中学生に配布されている「よみうり進学メディア」の編集も担当。同紙に執筆中の「受験生?(はてな)」は、人気連載のひとつとなっている。昭和26年(1951年)、浦和市(現さいたま市)生まれ。埼玉県立浦和高等学校・上智大学卒業。