埼玉新聞ロゴ

埼玉県公立高校入試問題予想

2017.1.17

数学@

問題文のPDF

解答・解説のPDF

関数と図形の融合問題(座標幾何)を極めよう!

新聞紙面で掲載した例題についてさらに深く掘り下げてみよう

平行四辺形の面積を2等分

[point]平行四辺形の面積を2等分する直線は対角線の中点を通る

平行四辺形は、対角線によって2つの合同な三角形に分かれる。つまり、対角線によって平行線の面積は2等分される。さて、その対角線の中点を通る直線だとなぜ平行四辺形の面積を2等分するのだろうか。ここに三角形の合同が活躍する。

平行四辺形ABCDの対角線の中点をOとして,Oを通る直線lが辺AD、辺BCと交わる点をそれぞれP,Qとする(図3)。前のポイントによると、このとき台形ABQPと台形PQCDの面積が等しくなるということなのだ。

Placeholder image

ここで、△AOPと△COQにおいて,
仮定よりAO=CO・・・@
対頂角は等しいから∠AOP=∠COQ・・・A
AD‖BCより錯角は等しいから∠PAO=QCO・・・B
@ABより1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので
△AOP≡△COQ

合同な三角形の面積は等しいから、△AOPと△COQの面積は等しい。
よって、
△ABC=四角形ABQO+△COQ
=四角形ABQO+△AOP
=台形ABQP
となる。
△ABCの面積は平行四辺形ABCDの面積の半分だから、台形ABQPの面積も平行四辺形の面積の半分である。

O(平行四辺形の対角線の中点)を通るすべての直線について同様のことがいえるので、平行四辺形の対角線の中点を通る直線は、平行四辺形の面積を2等分することが確かめられた。

座標平面上で直交する2つの直線の傾きの関係(発展研究1)

例題の解説では、正方形の直角を用いて、補助線を引くことにより合同な直角三角形をつくり、必要な座標を出した。ここで、座標平面上の直角と直線の傾きについて深く考察してみよう。

Placeholder image

図4を見て頂きたい。直線lは傾きがaの直線、直線mは傾きが−bの直線だ。この2つの直線が直交しているとき、傾きの関係はどうなるのかを、今度は直角三角形の相似を用いて考察してみよう。2直線の交点をPとし,Pからx軸に平行な長さ1の線分PHを引く。次に,Hを通りy軸に平行な直線を引き直線l,直線mと交わる点をそれぞれA,Bとする。ここで△PAHと△BPHは相似になるから,PH:BH=AH:PHが成り立つ。よって、1:a=b:1よりab=1となる。つまり、a×(−b)=−1だから、2つの傾きの積は−1となる。

これをまとめると、「直交する2直線の傾きの積は−1となる。」ということだ。

この知識を身につけると便利な点もあるが、注意するべきことがある。それは、これを公式として覚えているだけではいけないということだ。大切なことは上記のように、なぜそのようになるのかという点をきちんとおさえることなのだ。何を知っているかではなく、なぜそのようなことが成り立つのかということの方が何十倍も価値がある。それは、上記のように、あるひとつのことから、派生する事柄について深く考察していく流れを確認すれば明らかであろう。入試直前になると、安直な結果やとりあえず便利なものに手を伸ばすだけになりがちだが、そうではなく、本質を追う姿勢を忘れないで頂きたい。このような姿勢は、入試だけでなく、高校に進学してからの伸長に大きく寄与する。

図形から関数へ(発展研究2)

新聞紙面の本稿にて、関数の問題を図形的な要素に視点をおいて解くことのポイントを述べた。そして、その逆もある。つまり、"純粋な図形の問題に、関数の要素を持ち込む"ということだ。一例として、上記の「直交する2直線の傾きは−1になる」ことを利用する問題を紹介しよう。

(例題)

Placeholder image

右図のように,OA=OB=8,∠AOB=90°の直角二等辺三角形を,超点Bが辺OAの中点Mに重なるように折り,折り目と辺OBが交わる点をE,折り目と辺ABが交わる点をFとするとき,EFの長さを求めなさい。

ある三角形を特定の面積にする−平行線と等積変形の利用

座標平面上の三角形や四角形の面積を扱う問題も多い。典型的な一例を挙げてポイントを押さえていく。受験生のみなさんは、まずは自分の力で解いてみて欲しい。その上で解説を確認して頂きたい。

(例題)

Placeholder image

右図のように,関数 のグラフ上に2点A,Bがある。それらのx座標はそれぞれ−1,2である。直線ABとy軸の交点をCとする。 このとき次の問に答えなさい。

(1) 関数 のグラフ上のOからBの間(OとBは含まない)に点Pをとる。△AOBと△APBの面積が等しくなるとき,点Pの座標を求めなさい。

(2) 関数 のグラフ上のx座標が負の部分に点Qをとる。△AOBと△AOQの面積が等しくなるとき,点Qの座標を求めなさい。

(3) 関数 のグラフ上のx座標が正の部分に点Rをとる。△ABRの面積が△AOBの面積の2倍となるとき,点Rの座標を求めなさい。

解説

スクール21(株式会社エジュテックジャパン)

小学部・中学部を中心とした学習塾。県立難関校の合格データを蓄積した指導には定評がある。

本部:さいたま市中央区上落合1−9−2