武蔵鶴酒造株式会社

若者の力で新酒造り

職場の理解で子育てと仕事両立

有機無農薬の米で作った純米大吟醸を手にする有井佑希さん

有井佑希さんは関東灘ともいわれる酒どころ小川町の酒蔵、武蔵鶴酒造で仕込みを行う蔵人だ。11月と12月の酒造りの時期に蔵に入って作業を手伝っている。

有井さんは普段、無農薬有機栽培で米作りと野菜作りをしている。「自然とバランスをとる」、「自然の中で生きる」、そのために若い人が農業という基盤産業に飛び込む必要があると町外から移住し農業従事者になった。小川町に来て10年近くになるという。

1819年創業、8代目蔵元の中山俊和社長は有井さんを「酒造業でキラリと輝いている女性」と評価する。

人と人とのネットワークで課題解決

野菜の苗を確認する有井佑希さん

「蔵人として研究熱心なだけでなく、会社の課題に積極的に動いてくれた。若いながら幅広い活動で培った優秀な若者のネットワークを随分と活用させてもらった」と話す。

長年の課題であった杜氏の世代交代がすんなりとできたのも「有井さんの人間関係、ネットワークの素晴らしさ」と褒める。

有井さんは北本市で育ち、大学は関西。学生時代には海外で環境、貧困問題に関するボランティア活動を活発に行った。卒業後、生協に勤務したが人間の基本は農業と思い、有機農業を行う小川町へ。同時にアルバイトとして武蔵鶴酒造の蔵人の仕事に就いた。

有機栽培に仲間と取り組む

中山社長は「お酒も有機無農薬の米を使って、環境への優しさを前面に出した新商品を」と取り組んだ。80才を超える南部杜氏のもとで修業中だった有井さんを武蔵鶴酒造に紹介した人物が杜氏を務め、有井さん自身も蔵人として米生産者として参加し、この春に商品化され初出荷された。

小川町と山並みが一望できる築100年の古民家が有井さんの生活拠点。仲間と借りてシェアしながら住んでいる。水田2反、畑一町歩に米、麦、大豆、野菜60種類を作り、ネット直販、道の駅、自ら朝市にも出荷している。有機農業を中心に、若者たちの活動の中心になって、町を愛し活動している。

会社概要

会社名 武蔵鶴酒造株式会社
所在地 比企郡小川町大塚243
電話 0493−72−1634
創業 1819年
資本金 1000万円
代表者 中山俊和
事業内容 清酒武蔵鶴及び奈良漬の製造・販売
従業員数 11人(男性5人・女性6人)