2017年4月20日(木)

<マンション火災>母留守の夜に悲劇…長女死亡「本当に心が痛い」

火災が起きたマンション1室に実況見分に入る捜査員ら。換気口には黒いすすが残っている=20日午前11時50分ごろ、さいたま市南区沼影

 さいたま市南区沼影の8階建てマンション1階の大和田歩さん(31)方で19日夜に起きた火災。留守番中だった0〜5歳の子どもが重傷を負い病院に搬送されたが、長女結愛ちゃん(4)の死亡が確認された。県警と消防は20日、実況見分を行い、出火当時の状況や原因を調べている。「どうにか助けてあげたかった」。幼い子どもが命を落とした火災に、周辺住民は心を痛めていた。

 20日は午前中から県警の捜査員が室内に入り、周囲に規制線が張られるなど騒然とした。大和田さん方の玄関ドアの換気口には黒いすすがくっきりと残っていた。

 同じ階に住むパート女性(50)は19日午後9時すぎ、室内に焦げた臭いが立ち込め異変に気付いた。大和田さん方の換気口から黒い煙が噴き出ているのを発見し、119番。その際、子どもの泣き声は聞こえなかったという。子ども3人は駆け付けた救急隊員らに抱えられながら搬送されたという。

 結愛ちゃんが亡くなったことを受け、女性は「本当にかわいそうで心が痛い。お母さんが夜働いていることを知っていれば、近所で気を付けてあげることができたかもしれない。住民同士の付き合いがもっと必要だった」と声を落とした。

 結愛ちゃんは近くの保育園に通う活発な子だった。18日には、4月が誕生日だった結愛ちゃんらのために、園内の子どもたちと一緒にお祝いをしたばかり。調理師の60代パート女性は、結愛ちゃんが豆腐ハンバーグをおかわりして、喜んで頬張っていた姿を覚えている。「まだ信じられない。かわいそうでならない」。ニュースで火災を知った職員らはショックを受けているという。同じ保育園に子どもが通っていた会社員女性(37)は結愛ちゃんについて「かわいらしかった。ショックです」と言葉少なに話した。

 住民らによると、大和田さんは夜に家を空けることが多く、火災発生時、仕事で外出中だったとみられる。近所付き合いはほぼなかったという。南区の保健センターは大和田さん方と子どもの出産前後から関わりを持った。長男が生まれてからは、乳幼児健診などの際に、子どもの発達や育児について相談があったという。

 幼い子どもを育てる母親たちは「乳幼児を家で待たせることはできない」としながらも、「一番大変な時期で、同じ立場だったら途方に暮れてしまう」「周囲のサポートがあったり、どこかに助けを求められればこんなことにならなかった」と推し量った。

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