大河・青天を衝けの脚本・大森美香さん、吉沢亮さんに託した「走り続けた栄一」 慶喜役の草彅剛さんは
深谷市出身の実業家・渋沢栄一が主人公の大河ドラマ「青天を衝(つ)け」で脚本を担当する大森美香さんが、リモート取材に応じた。今作品で描いたのは「激動の時代を走り続けた栄一の力強さ」。「日本そして世界を変えるため、生涯にわたり休まず生き抜く栄一の姿に、思いを寄せてほしい」と呼び掛けた。
大河ドラマ第60作の節目となった今作は、主人公の栄一が、時代の大渦に翻弄(ほんろう)され挫折を繰り返しながらも、高い志で未来を切り開いていく姿をダイナミックに描く。栄一を支える家族との心温まるストーリーや、時代を彩った幕末・明治期の偉人ら個性的なキャラクターが登場するなど、多くの話題で注目を集めている。
通常より約1カ月遅れの2月からスタート。終盤まで新型コロナウイルスの脅威と隣り合わせでの放送は続くが、「まずは無事に放送されてほしい。実際の役者さんの動きを見ることができず、現場との一体感がない中で書く心細さはあったが、視聴者の皆さまの応援に励まされた」と感慨深げに振り返った。
91歳まで生きた栄一の生涯を描く上で、大森さんが意識したのが栄一の故郷・血洗島での物語。「農民から志士になり、その後は一橋家に仕官するなど、立場が目まぐるしく変わるが、一本の確かな筋があった」。父から学んだ商売や学問、母からの深い愛情、妻の献身的な支え。「父母、そして妻あってこその栄一。期せずしてコロナ禍という不安定な時代に沿った作品になったと思う」
主演の吉沢亮さんに託したのは「走り続ける渋沢栄一」。一方で徳川慶喜役の草彅剛さんは「実際の慶喜ってこんな人物だったのかなと思って見ていた」と明かす。
「恨まれながらも、生きることが使命だと思い続けた慶喜。生涯にわたり慶喜を尊敬し続けた栄一。最後まで2人の関係性に注目してほしい」