大学共通テスト、埼玉大学などで始まる 新型コロナ急拡大、東大の事件…受験生らから安全確保求める声も
大学入学共通テストが15日、埼玉大学などで始まった。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染が急拡大し、感染防止策を講じての試験となった。東京大学では、試験開始前に受験生らが切り付けられる事件が発生。県内の受験生からは不安や安全確保を求める声が聞かれた。
共通テストは16日までが第1日程。体調不良などで欠席すると、29、30日に設定された第2日程の追試験に回る。
埼大では午前8時ごろからマスク着用の受験生が家族が運転する車や路線バスなどで続々と到着した。
コロナ対策で各部屋に消毒液を置き、適宜換気を実施。3密回避のため試験部屋はコロナ禍前より増やし、埼大が管轄の五つの高校会場では1教室当たりの受験生の数を例年の40人から36人に減らした。
濃厚接触者は「PCR検査などで陰性」「当日も無症状」といった一定の要件を満たせば、別室で受験可能となった。埼大では離れた場所に別室を設ける対応を取った。
初日は「英語」などで、午後6時すぎに終了。川口市の私立高3年男子生徒(18)は「学校では黙食を徹底するなどの感染対策をしてきた。予想問題などを多く解いて対策したが、正直難しかった」と話した。
さいたま市の私立高3年男子生徒(17)は「感染防止へ外出を控えるなど試験に備えた。やってきたことのベストは尽くせたと思う。16日の試験科目の対策に全力を挙げる」と話した。
2人は東大の事件を「試験終了後に知った」と驚きを隠さなかった。公立高3年の女子生徒(18)は「事件を聞いて不安になった。安全で集中できる試験環境を整えてほしい」と要望した。
大学入試センターによると、県内を受験地とした志願者数は、昨年比674人減の2万7842人(男1万6288人、女1万1554人)。うち今年高校を卒業見込みの現役志願者は2万3721人で、浪人などすでに卒業している志願者は4121人だった。