埼玉新聞

 

政倫審でけじめ、懐疑の声 自民裏金事件、再開催か

  •  自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、衆院の政治倫理審査会で弁明する旧安倍派幹部の下村博文氏(左奥)=3月

     自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、衆院の政治倫理審査会で弁明する旧安倍派幹部の下村博文氏(左奥)=3月

  •  自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、衆院の政治倫理審査会で弁明する旧安倍派幹部の下村博文氏(左奥)=3月

 自民党派閥裏金事件を受けた国会の政治倫理審査会が再び開かれる可能性が出てきた。衆院選大敗を受け、石破茂首相が関係議員に出席を求めたためだ。自民はくすぶり続ける懸案に一定のけじめをつけたい考えだが、対象が若手や中堅に限られるため、識者は「新事実が出る可能性は低い」とみる。旧安倍派幹部らが参加した2~3月の政倫審も「言いっ放し」が目立ち「『説明した』というアリバイ作りにしかならない」と指摘する。

 政倫審は疑惑を抱える国会議員が弁明する場だが、うそをついても偽証罪に問われないため、実効性を確保するのが難しいとされる。裏金事件に関する2~3月の政倫審では、出席者のほぼ全員が裏金づくりの起源を「知らない」と答弁した。

 旧安倍派で一度中止になった資金還流が再開された経緯への関与も派閥幹部全員が否定。その後、会計責任者が自身の公判で「幹部4人が判断して再開が決まった」と明らかにしたが、幹部らは食い違いに対する説明責任を放棄したままだ。

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