埼玉新聞

 

日産リーフを災害発生時の電力供給源に 埼玉・三芳町、日産とEV活用協定 東京電力パワーグリッドも締結

  • 「SDGs連携協定」を締結した東京電力パワーグリッド志木支社の福元直行支社長(左から)と林伊佐雄町長、日産プリンス埼玉販売の高田泰伸社長、日産自動車の星野敦彦・首都圏リジョーナルセールスオフィス部長=三芳町役場

 三芳町は、日産自動車、日産プリンス埼玉販売会社、東京電力パワーグリッドの3社と電気自動車(EV)を環境や防災対策などに活用する「電気自動車の活用等によるSDGs連携協定」を締結した。EV「日産リーフ」の貸与により、SDGsの目指す持続可能な社会やカーボンニュートラルの実現を図るとともに、災害発生時の電力供給源にするのが狙い。

 日産自動車によると、同社は同様趣旨で全国の自治体や企業など計153団体と連携を図っており、県内の自治体との連携協定の締結はさいたま市や所沢市などに次いで5例目という。

 協定によると、三芳町で災害による停電が発生した際、日産自動車と日産プリンス埼玉販売は町の避難場所にEVを無償で貸与し、避難場所で継続的に電力が供給できる体制を整備する。東京電力パワーグリッドは停電に関する情報を提供し、EVの配置や効率的運用をサポートする。

 平時では、3社は町が主催するイベントなどで使用する電力をEVから供給。EVの走る蓄電池としての活用を町民らに積極的にアピールするとともに、環境や防災意識の向上を目指す。

 日産自動車は2018年から、EVの普及を通して、環境や防災、エネルギーマネジメントなど地域課題の解決を図ろうと、EVを自治体や企業などに貸与する日本電動化アクション事業「ブルー・スイッチ」に取り組んでおり、19年の台風15号の災害時は千葉県内に50台以上の日産リーフを貸与し、復旧を支援したという。

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