埼玉新聞

 

事態が急変、解散か…9市町村で構成する「ごみ処理組合」 吉見に新処理施設を計画するも運営費で対立

  • 吉見町役場=吉見町下細谷

 吉見町に新ごみ処理施設と附帯施設の建設を計画している9市町村構成の「埼玉中部資源循環組合」(管理者・宮崎善雄吉見町長)は26日、正副管理者会議を開き、組合を解散する方向で協議を進めることになった。2023年度に完成を目指す新ごみ処理場計画は振り出しに戻りかねない雲行きになった。

 同組合は15年に設立され、吉見町のほか、東松山、桶川市、滑川、嵐山、小川、川島、ときがわ町、東秩父村で構成。吉見町内に共同で可燃ごみを処理する新ごみ処理場建設のための協議を進めてきた。

 事態が急変したのは、今月9日開催の定例組合会議。閉会のあいさつで、管理者の宮崎吉見町長が附帯施設の運営費を巡る意見対立を理由に、管理者を辞任する意向を表明した。その後、臨時の正副管理者会議が開かれたが、議論は平行線をたどり、26日に再度話し合うことになっていた。

 この日午後3時半から同組合会議室で、正副管理者を務める9市町村の首長が出席。問題を協議したが、話し合いはまとまらなかった模様。宮崎町長は協議の詳細を明らかにしなかったものの、「『解散協議をして行こう』という方向性は決まった」と述べた。今後は各首長が各議会に説明し、正副管理者会議で解散協議を進めて行くとみられる。

 すでに新ごみ処理施設本体の建設費用の負担割合は合意していたが、新処理施設が供給するエネルギーを活用した附帯施設の運営負担については、「利用者負担」を求める6市町村と、「(新処理施設と)一体で運営」を主張する吉見町との意見調整ができなかった。このため宮崎町長は「組合代表者との職責と、吉見町長との職責が相反する」として、辞任の意向を示していた。

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