埼玉新聞

 

「ご飯がススム 豚バラキムチ味」全国で販売へ ピックルスと丸大が初の共同開発 共働きなど取り込み狙う

  • 丸大食品とピックルスが共同開発した焼き豚「ご飯がススム 豚バラキムチ味」

 丸大食品(大阪府)は、漬物製造大手のピックルスコーポレーション(所沢市)の人気キムチ製品「ご飯がススム」の味わいを再現し、関東、東北、北海道限定で販売している焼き豚「ご飯がススム 豚バラキムチ味」(オープン価格税別398円)の販売エリアを12月から全国に広げる。両社が商品を共同開発したのは初めて。

 共働きや単身世帯の中食需要などを取り込もうと企画した。「ススム」人気効果を見込み各小売りが販売促進に努め、出足は好調。エリア拡大で年末年始の需要を幅広く取り込みつつ、定番商品への定着化も狙う。

 「ススム 豚バラキムチ」は家庭や飲食店でも定番料理「豚キムチ」をヒントに作られている。焼き豚は調理や食べやすさを訴求しスライスにしている。電子レンジ対応のトレーを採用し、簡単に温めて食べることができる。

 丸大の国内最大の製造拠点で年間2万8千トン生産する関東工場(栃木県下野市)で作られている。工場の開設50周年の節目に目玉となる商品を売り出そうと企画した。

 開発へ、焼き豚など豚肉製品との相性が良い「キムチ」に着目した。

 その中でキムチ製品の「ススム」の人気が高く、多くの小売店で販売されており、製造するピックルスコーポレーションに今春、共同開発を打診。「ススム」が発売10周年で、他社とのコラボも含め、製品の認知度を高める施策を進めたかったこともあり、提案に同意。

 両社で味付けの調整など試作を繰り返、7月までに程よく辛く、弁当のおかずや酒のつまみなどに合う味わいに仕上げた。

 「ススム 豚バラキムチ」が「ススム」のコラボ製品であり各小売りの反応は上々で、関東以北の30社以上で販売されている。北関東が基盤の小売りでは、漬物売場に「ススム」と並べて販売する。

 小売りでの販売実績は非公表ながら「新製品としては高水準」(丸大広報)という。また加工肉製品の市場が成熟化し、ヒット製品が出づらい市場環境で「販売に注力する小売りが増えている」(同)と話す。さらに年末年始は1年で焼き豚の販売が一番高い時期。年末年始商戦が拡販の好機とみて、販売を全国に拡大する。

 販売期間は未定としているが、レギュラー製品への可能性については「まずは年末年始の販売動向などを分析し、販売が堅調なら検討したい」(同)と説明。通年商品化にする場合は、季節に合わせて辛さや味わいを調整していきたいとしている。

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