埼玉新聞

 

材木屋のホルモン人気 秩父の材木店が販売、展示即売会でホルモン振る舞い商品化 口コミで評判広がる

  • 幸島潔社長(右)と営業中の目印である「豚ホルモン」ののぼり旗を持つ妻の綾子さん=秩父市上町の友愛商事

 秩父市上町で材木店を営む友愛商事は2018年9月から「秩父の材木屋ホルモン」として、小鹿野町の食肉加工会社「肉の宝屋」と連携し、冷凍した豚のホルモンの販売を始めた。価格は1袋が650グラム入りで税込み1100円。1年半で約3千パックを店頭販売していて、取引先や地域住民から人気を集めている。

 同社は1962年創業。材木や新建材、住宅設備機器などを中心に販売している。年3回にわたって建築業者を対象に展示即売会を開催しているが、その際にホルモンを振る舞う商談スタイルを続けてきた。取引先から「ホルモンを販売してもらえないか」と言われたことから、ホルモンを商品化することになった。

 ホルモンは大きめにカットしており、ニンニクや唐辛子も強め。肉はシロ(腸)やカシラ(頭)、バラの3種類が入り、味付きのオリジナルミックスホルモンに仕上げた。同社の幸島(さしま)潔社長(54)は「1カ月で約30袋が売れればいいかなと思っていた」と振り返るが、口コミで予想以上に人気が広がった。

 同市出身の幸島社長は大学進学で秩父を離れて、ホルモンが独自の文化だと衝撃を受けた。子どものころからホルモンに親しみ、展示会でもホルモンは50年以上にわたって振る舞っていた。同社の本業は商品を工務店などに卸すことだが、ホルモンの販売を始めたことで異業種や一般の人々との交流も増えたという。

 幸島社長は食品衛生責任者となり、秩父保健所から営業許可も受けている。「ホルモンは秩父のソウルフードで、ぜひ味わってもらえれば」と話している。

■秩父市上町2丁目17の21▽(電話0494・22・2286)。営業時間は午前9時から午後5時まで。日曜や祝祭日は休み。

■幸島潔社長/秩父のホルモンは安くておいしい。冷凍した商品は水かぬるま湯で解凍後、余計な脂が落ちるので、炭火焼きが一番のお薦め。

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