埼玉新聞

 

74年の歴史に幕 飯能市立名栗中で閉校式 1、2年生は来年度から原市場中に編入「名栗魂で頑張る」

  • 閉校式で校歌を歌う生徒=14日午前、飯能市上名栗の市立名栗中学校

  • 1986年から使用している3代目の校舎

 今月末で閉校となる埼玉県飯能市立名栗中学校(岩崎隆校長、生徒数18人)で14日、閉校式が行われた。生徒や教職員をはじめ地域住民や卒業生ら約160人が出席。74年の歴史に幕を下ろす学び舎(や)との別れを惜しんだ。

 飯能市は生徒数が減少し望ましい教育環境の確保が難しいことから、昨年8月に本年度末で名栗中学校を閉校すると発表していた。現在、同校に通う1、2年生の生徒13人は来年度から市立原市場中学校に編入される。

 名栗中は1947年、名栗村立名栗中として開校。2005年に飯能市と名栗村の合併により飯能市立名栗中となった。ピーク時の62年には270人の生徒がいたが本年度は1年生7人、2年生6人、3年生5人の18人だった。本年度の卒業生5人を含め、これまでに3194人を新たな舞台へ送り出してきた。

 閉校式では、換気を十分に行い、生徒たちはマスクをしたまま校歌を歌った。同校の歴史や部活動、行事などをまとめた記念映像が流され、生徒や参加した保護者らは懐かしそうに映像を見つめていた。

 岩崎校長は「自然に囲まれ伝統を育んできた名栗中学校の閉校は寂しいが悲しいこととはとらえたくない。原市場中学校で新しい学校生活に臨む生徒たちを心から応援したい」とエールを送った。

 生徒会長を務める2年生の小峰雅司さん(14)は「在校中に閉校となることは寂しいと家族とも話していた」と閉校の知らせを聞いた時のことを振り返った。4月からは原市場中へ編入となり、新しい環境での学校生活に向けて「先輩方が築いてきた伝統は僕たちの誇り。名栗魂とともに新しい学校でも頑張る」と力強く話していた。

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