天国の兄貴分に「一歩先に行きます」 埼玉・秩父出身の歌手、亡くなった音楽仲間に思い込め2作目リリース
2021/04/17/00:00
秩父市出身のシンガーソングライター三上隼(しゅん)さん(28)は21日から全国流通盤2作目となるEP「Rely(リライ)」(レーベル・モルタルレコード)を発売する。深谷市を中心に活動していたシンガーソングライターで、昨年2月に不慮の事故で亡くなった「topaz(トパーズ)」こと井田祐也さん=当時(33)=を思って制作。「前を向いて強く生きていく」という思いを込めている。
井田さんは深谷市出身。団体職員として働きながら、音楽活動を続けていた。だが、昨年2月に行方不明となり、熊谷市のJR熊谷駅のホーム下で変わり果てた姿で発見された。2曲の新曲「これから/光の中で」の完成を控えていたため、音楽仲間が遺作の音源をCD化し、昨年4月22日に全国リリースした。
三上さんも音楽仲間で、面倒見の良い井田さんは兄貴分だった。同じイベントの出演をきっかけに仲良くなり、一緒にツアーを回ったりもした。行方不明になった時は音楽仲間と一緒に捜索したが、駆け付けた熊谷駅で遺体が搬送される場面を目撃した。「にわかには信じられず、現実味がなかった」と振り返った。
その後、新型コロナウイルスの影響でライブ活動は一時中断したが、昨年11月には秩父市の秩父宮記念市民会館でワンマンライブを開催。井田さんのギターを使って、井田さんの曲も披露した。EPは井田さんのCDが全国リリースされた1年前の前日に設定し、「一歩先に行きます」というメッセージでもある。
EPは4曲入りで税込み1650円。30日から全国でリリースツアーも予定されている。「新型コロナウイルスで会いたい人に会えない状況が誰にでもあったと思うが、この1枚で生きる希望を感じてもらえれば」と話していた。