埼玉新聞

 

【名作文学と音楽(24)】タンゴを忘れるな 遠田潤子『オブリヴィオン』、五木寛之『夜明けのタンゴ』

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 丸谷才一は元来クラシック党で、それ以外の音楽はピンと来なかったが、タンゴの鬼才、アストル・ピアソラの曲は夢中になって聴いていると、エッセイ『バンドネオン』の中で述べている。クラシック界のスター・ヴァイオリニスト、ギドン・クレーメルがジャンルを越えて取り組んだCD『ピアソラへのオマージュ』をジャケ買いし、引き込まれたのだという(ジャケットのデザインは踊る男女の脚)。そのアルバムにも収録されているピアソラの曲の一つを題名にし、また作中で大きな役割を担わせているのが、遠田潤子(1966~)の『オブリヴィオン』。(2017年)。現在は光文社文庫に入っている。

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