立場利用し便宜…中学の同級生から謝礼 埼玉・羽生市の贈収賄、元課長らに有罪「常習性認められる」/地裁
2021/07/03/00:00
羽生市の業務委託を巡り、現金20万円の授受があったとされた贈収賄事件で、収賄罪に問われた同市まちづくり部建設課元課長(54)=同市下新郷、懲戒免職=と、贈賄罪に問われた建設業経営者(53)=同市上川崎=の判決公判が2日、さいたま地裁で開かれた。蔵本匡成裁判官は元課長に懲役1年と追徴金20万円(求刑・同)、建設業経営者に懲役10月(求刑・同)、いずれも執行猶予3年を言い渡した。
判決理由で、蔵本裁判官は元課長が担当課長という立場を利用し、謝礼を期待して経営者が公共事業を受託できるように便宜を図ったと説明。本件の2回以外にも複数回、現金の供与を受けており「常習性が認められる」と強調した。現金を渡した経営者についても「利益率の高い委託事業を受け、自社の利益を優先させた」と指摘。元課長と経営者に対し、「市の業務に対する職務の公平と社会の信頼が損なわれた」と非難した。
一方で、元課長と経営者が事実を認め、前科がないこと、授受金額の20万円が同様の事案の中では多額とまでは言えないとし、「酌むべき事情が認められる」などと述べた。
判決によると、元課長は課長だった昨年2月と7月、経営者が経営する「クリーン・テック」が雑草の刈り取りや側溝の清掃作業などの業務委託を受注できるように取り計らい、見返りに中学の同級生だった経営者から現金20万円を受け取った。