来年1月で阪神大震災から30年になるのを前に、各地の被災地で建物を解体する際に飛散したアスベスト(石綿)の健康被害を検証するシンポジウムが1日、神戸市で開かれ、対策について議論した。専門家らは「石綿のリスクを防災計画に盛り込むことで、暴露は防げる」と呼びかけた。
講演したNPO法人「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」の永倉冬史事務局長によると、被災地では津波などでぬれた仮置き場のがれきが乾燥する事例が相次ぎ、東日本大震災では約2カ月後に粉じんの飛散が確認された。
シンポジウムでは石綿の危険性を防災教育に組み込むことの重要性も議題に上がった。