埼玉新聞

 

<参院選>安倍氏、大宮駅前で夕方遊説予定だった…事件受け、埼玉県内の参院選、急きょ活動中止、変更も

  • 県内の参院選、急きょ活動変更も

 安倍晋三元首相が街頭演説中に銃撃され、死亡した事件を受け、参院選埼玉選挙区で選挙活動中の主要候補は8日、急きょ遊説を中止するなど最終盤でスケジュールの変更を余儀なくされた。

 自民現職の関口昌一氏は8日午前10時から、富士見市のみずほ台駅東口で世耕弘成党参院幹事長の応援を得て演説。その後、川越市内などでの遊説を予定していたが、中止し、党本部へと向かった。この日、安倍元首相は比例候補の応援のため、午後6時半から大宮駅西口での遊説を予定していた。

 公明現職の西田実仁氏は県内支援者で支持を呼び掛けた後、午後6時から、戸田公園駅西口で竹内譲党政調会長らとともに演説を予定していた。西田事務所によると、事件を受け中止を決めた。

 無所属現職の上田清司氏はほぼ終日、浦和駅に立ち続けた。埼玉新聞の取材に「選挙は民主主義の根幹だ。(選挙活動を)自粛する考え方もあるが、私は『テロ行為は許されない』と言葉で示したい」と話し、自らチラシを配った。

 立民新人の高木真理氏は午前、東浦和駅で逢坂誠二代表代行と演説。午後の逢坂氏の応援演説は中止し、高木氏は東大宮駅で拡声器なしで演説した。「伝え方を工夫し、やるべきことをやる」と話し、9日も予定通り主要駅などで活動を行うとした。

 維新新人の加来武宜氏は午前、朝霞台駅で演説したが、事件を受けて同党は同日の活動の中断を決定。応援を予定していた馬場伸幸共同代表は「こんな状況で人を集めて自分のことを『お願いします』と言うのは我欲の押し付け」と語った。

 共産新人の梅村早江子氏は午前7時に上尾駅で活動を開始。SNS(交流サイト)で「暴力に民主主義が屈してはいけない」と発信し遊説を続けた。小池晃書記局長を迎えた午後6時半の川口駅の演説では哀悼の意を表し「選挙へのテロは許せない」と述べた。

 れいわ新人の西美友加氏は午後2時半から北朝霞駅で予定していた演説を中止。予定を変更して午後5時半から浦和駅などで演説した。党はSNSで8、9日のイベントの中止を発表し、「自由な言論と民主主義を守るため、遊説は継続する」とした。

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