埼玉新聞

 

「火星の石」大阪万博で初展示 日本観測隊が南極で発見

  •  国立極地研究所が保管している「火星の石」(同研究所提供)

     国立極地研究所が保管している「火星の石」(同研究所提供)

  •  国立極地研究所が保管している「火星の石」(同研究所提供)

 政府は17日、2025年大阪・関西万博で、国立極地研究所(東京都立川市)が保管している「火星の石」を目玉の一つとして展示すると発表した。00年に日本の観測隊が南極で発見し、その後の分析で火星から地球に飛来した隕石だと判明した。一般公開は初めて。

 大きさは幅29センチ、奥行き22センチ、高さ16センチ。重さは約13キロで世界最大級の火星隕石という。石内部にあったガスの分析から火星から飛来したものだと断定された。火星に小惑星が衝突した際に宇宙に飛び出し、地球に飛来したとみられている。

 水と反応してできる鉱物が含まれ、火星に水が存在した証拠となる。生物の起源に関わる重要な手がかりにもなり、「いのち輝く未来社会」と掲げた万博のテーマに沿うと判断した。隕石のかけらも同時に展示し、触れることができるようにする。

 1970年に大阪で開かれた大阪万博では、米国の宇宙船アポロが持ち帰った「月の石」が目玉として展示され、大きな話題となった。政府は大阪・関西万博でも展示してもらえないかどうか米政府に依頼している。

ツイート シェア シェア