下着の色・柄に規定は15校、頭髪の地毛証明88校 埼玉県教委が校則調査 時代の進展踏まえ「見直しを」
県教育委員会は15日、県内の県立学校191校で行った校則の点検、見直しに関する調査結果を発表した。頭髪や服装に関する校則で「地毛証明書」の提出の規定がある学校は88校(46・1%)、下着の色や柄の規定がある学校は15校(7・9%)だった。記者会見で高田直芳教育長は「髪形や下着の色、柄については、子どもの人格や個性を尊重する観点から積極的に見直してほしい」と、該当の校則の廃止を求めた。
調査は校則や生徒指導の現状を把握し、見直しを促進するのを目的に、2007年度以来2回目の実施。対象は高校全日制134校、定時制23校、通信制2校、分校を含む特別支援学校43校、県立中学1校で、うち特別支援学校12校は校則がなく、調査に含まなかった。
調査結果によると、髪形に関する規定は147校(77%)で、髪の毛の色に関する規定は146校(76・4%)であった。過去3年間に校則を見直した学校は88・5%で、内訳は二輪車などの免許取得に関する規定が74・6%、服装が64・5%、携帯電話の校内持ち込み・使用が35・5%、頭髪が23・7%だった。
過去1年間で児童生徒から見直し要望があった学校は38・7%で、要望内容は服装が60・8%、頭髪が55・4%を占めた。
県教委は9月30日付で県立学校宛てに、本年度中に校則が社会の常識、時代の進展などを踏まえたものか確認し、見直すことなどを通知した。髪形や下着の色、柄の指定が必要な場合は、児童生徒や保護者に丁寧に説明し、理解を求めることとした。
高田教育長は「校則を昔のまま変えない学校もある。状況や世間の考え方は変わるので、絶えず見直しを行う必要がある」との考えを示した。一方、小中学校への対応は「各市町村の教育委員会が責任を持って指導していることなので、調査をお願いすることはない」と述べた。
県教委は今後、見直しに関する周知や助言などを行い、各学校に継続的な取り組みを求めるとしている。県教育局生徒指導課は「学校長など管理職が集まる場では、これまでも繰り返し呼び掛けてきた。調査をきっかけに改めて対応をお願いしたい」としている。