埼玉新聞

 

2年連続で川越まつり中止…中止奉告祭に高張り提灯集結 来年こそ盛大に「祭りの伝統は続いている」

  • 高張り提灯が掲げられ、中止奉告祭に参列した各町の関係者や山田禎久宮司(中央)=川越市宮下町2丁目の川越氷川神社

 16、17の両日に開催を予定していた川越市の川越まつり(同協賛会主催)の中止を神前に告げる「川越氷川祭礼中止奉告祭」が14日夕、川越市の川越氷川神社で執り行われた。新型コロナウイルス感染の影響で祭りは中止となったが、各町の高張り提灯(ちょうちん)が神社に集結し、境内を明るくともした。

 氏子区域の山車保有町から、代表者が祭り衣装を着て参列した。川越まつりは川越氷川神社の例大祭を根源とし、祝詞を奏上した山田禎久宮司(53)は「例大祭は本日行われた。川越まつりは2年続けて見送りとなり、途切れてしまったように思いがちだが、例大祭で町の繁栄を神様にお願い申し上げた。そうした意味で川越まつりは途切れることなく、つながっている。安心していただきたい」と述べた。

 川越まつりを象徴するのが山車の巡行。奉告祭には山車行列の先頭に張り出される各町の高張り提灯が持ち込まれた。「山王」「大手町」など山車に飾る人形や町の名が記された大きな提灯が高々と掲げられていた。

 参列した幸町の隈倉雄二郎さん(69)は「今年も川越まつりは中止となり、山車が引けず寂しいが、祭りの伝統はしっかりと続いている」。志多町の高柳尚さん(74)は「川越市制施行百周年の来年こそ、川越まつりを盛大に行いたい」と願っていた。

 この日結集した13本の高張り提灯は、17日まで川越氷川神社の神前に飾り付けられる。

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