埼玉新聞

 

刃物持つ不審者、障害者施設に侵入…埼玉・加須で対応訓練 犯人との間合い、さすまたの使い方など学ぶ

  • 通報で駆け付けた加須署員に“逮捕”される犯人役=加須市多門寺の「グループホームつくしんぼ」

 加須市多門寺の障害者共同生活援助施設「グループホームつくしんぼ」で15日、加須署の協力による不審者対応訓練が行われた。不審者の侵入時にどう対応すべきか、危機感をどう持つべきかを同署から学んだ。

 訓練は、2019年7月に相模原市で起きた障害者施設殺傷事件を教訓にして実施した。同署の生活安全課と地域課の署員5人が参加した。署員の1人が不審者役に扮(ふん)し、刃物(模造)をかざして“侵入”した。

 「ここに兄がいるはず。会わせてくれ」と言って、刃物を持つ犯人役に、職員が落ち着いて対応した。ただならぬ気配に、別の職員がすぐに110番通報した。通報から3分ほどでパトカーが到着。犯人役の逮捕となった。

 トータル約10分間の訓練だったが、訓練とはいえ、緊張感が漂った。管理者の工藤美恵子さんは「緊張した。(訓練が)長い時間に感じた。不審者にどう対応すべきかは、心構えとして持っておく必要がある」と話した。

 生活安全課の磯川勝範課長らが講評を行った。「犯人とうまく対応していた」とした上で、「できれば、複数での対応が望ましい。犯人との間合いが近かったので、危険。犯人から目を離さないことも大事」などと指摘した。

 防護策として、さすまたの上手な使い方、身の回りにある物の活用法なども教えた。

ツイート シェア シェア