埼玉新聞

 

海保、浸水実験し沈没原因特定 再現へ3Dプリンター模型

  •  海面上までつり上げられた観光船「KAZU 1」=2022年5月、北海道斜里町沖

     海面上までつり上げられた観光船「KAZU 1」=2022年5月、北海道斜里町沖

  •  送検のため、釧路海上保安部を出る運航会社「知床遊覧船」の社長桂田精一容疑者(中央)=19日午後0時50分、北海道釧路市

     送検のため、釧路海上保安部を出る運航会社「知床遊覧船」の社長桂田精一容疑者(中央)=19日午後0時50分、北海道釧路市

  •  海面上までつり上げられた観光船「KAZU 1」=2022年5月、北海道斜里町沖
  •  送検のため、釧路海上保安部を出る運航会社「知床遊覧船」の社長桂田精一容疑者(中央)=19日午後0時50分、北海道釧路市

 北海道・知床沖の観光船沈没事故で、第1管区海上保安本部(小樽)が事故の状況を再現するため、3Dプリンターで製作した船の模型を使って浸水実験をしていたことが19日、捜査関係者への取材で分かった。乗客乗員26人全員が死亡、行方不明となり目撃証言がない中、実験などで証拠を積み重ね、ハッチからの浸水が沈没原因と結論付けた。

 1管は業務上過失致死などの容疑で逮捕した運航会社「知床遊覧船」の社長桂田精一容疑者(61)らが船体の不備を放置し事故につながったとみて、18日に桂田容疑者宅を家宅捜索するなどして調べている。19日、桂田容疑者を送検した。

 桂田容疑者は昨年、共同通信の取材に対し、船体の異常は知らなかったと答えていた。

 運輸安全委員会の報告書によると、観光船「KAZU 1(カズワン)」は船首付近のハッチが確実に閉鎖されないまま出航し、悪天候で開いた。1管は、浸水場所や船内に入った水の量を特定するため、模型を使って実験を繰り返したという。

ツイート シェア シェア