埼玉新聞

 

袴田巌さん、再審26日判決 弟を気遣い、姉は裁判の話せず

  •  袴田巌さん

     袴田巌さん

  •  自宅で過ごす袴田巌さん(手前)と姉ひで子さん=4日、浜松市

     自宅で過ごす袴田巌さん(手前)と姉ひで子さん=4日、浜松市

  •  日課の散歩で神社を参拝する袴田巌さん=4日、浜松市

     日課の散歩で神社を参拝する袴田巌さん=4日、浜松市

  •  袴田巌さん
  •  自宅で過ごす袴田巌さん(手前)と姉ひで子さん=4日、浜松市
  •  日課の散歩で神社を参拝する袴田巌さん=4日、浜松市

 1966年の静岡県一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)のやり直しの裁判(再審)は、静岡地裁で26日に判決が言い渡される。拘禁症状が残る袴田さんに代わって出廷した姉ひで子さん(91)は、長期収容で苦しんだ弟を気遣い、これまで自宅で裁判の話は避けてきた。事件から58年、冤罪を訴え闘い続けた日々を「毎日が一生懸命で、あっという間だった」と振り返る。無罪判決が出たら、弟に内容を伝えるつもりだ。

 袴田さんは2014年3月に再審開始が認められ、釈放されたが、検察の即時抗告などにより公判が開かれるまで9年以上を要した。釈放後は、浜松市でひで子さんと一緒に暮らす。

 袴田さんは、支援者とのドライブや散歩を欠かさないが、年齢を重ね、歩幅は狭くなっている。支援者は「拘禁症状が残り、妄想の世界にいることは変わらない」とみる。

 ひで子さんも長期間収容され、死刑執行におびえてきた弟には、残りの人生を「自由に、好きなように生きてもらいたい」と考え、裁判のことはあえて話さないようにしている。

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