さいたま市新庁舎に「防災、交流、託児スペースを」 市長と市民ら意見交換「コスト抑えて」「焦らないで」
さいたま市のタウンミーティング(TM)が23日、「将来を見据え、さいたま市のまちづくりや市役所移転について考えよう」をテーマに始まった。清水勇人市長が市庁舎整備や現庁舎跡地の利活用の検討内容を説明し、参加した市民と意見交換した。当初は8~9月に実施予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期されていた。
この日は緑区と桜区で開かれ、それぞれ14人、11人の市民が参加した。清水市長は、10年後にさいたま新都心のバスターミナルほか街区(大宮区北袋町1丁目)への市庁舎移転を目指していることや、市庁舎整備の基本計画の素案の内容を説明。現庁舎(浦和区常盤6丁目)跡地周辺を「文教都市を象徴する地域」「県都としての誇りがある地域」として、利活用の意見を求めた。
緑区のTMに参加した市民からは、新庁舎については「子どもを預けるスペース」「市民が交流したり、さいたま市の魅力を発信できるオープンスペース」「帰宅困難者への対応など防災機能」などを求める意見が出た。現庁舎跡地の意見では、大学や病院の建設、誘致を求める声が出た。
「10年後に市役所を移転したいからというのは違うかなと思う。現庁舎がまだ使えるのなら、焦らずに場所を含めてじっくり考えてほしい」「小学校など老朽化した施設が多い。お金のかからない方法を考えてほしい」などと、移転に慎重な意見も出ていた。
会社員中野顕彦さん(44)は取材に「現庁舎は古い建物で、市の職員がリスクの少ない建物で働いた方が、サービスを受ける側としても良い。新庁舎は半世紀はそこにあるものなので、十分に考えたものであってほしい」と話した。
市は今月15日、市庁舎整備の基本構想の素案を発表し、18日からパブリックコメントを実施。TMは11月13日までに全10区で開催して、市民の意見を聴き取り、12月に策定する基本構想の成案に盛り込むとしている。