大型商業施設「エミテラス所沢」 きょう24日開業 慢性的な渋滞発生する所沢市 多くの来場者が見込まれ渋滞対策は
24日に所沢駅西口で大型商業施設「エミテラス所沢」が開業する。新たな地域の集客施設として期待が高まる一方、所沢市内は各所で慢性的な交通渋滞が発生しており、開業による駅周辺道路の交通渋滞が懸念されている。施設では対策として鉄道利用の促進キャンペーンや臨時駐車場を用意。市は新しく道路を開通させるなど、まち全体で対策を進めている。
市内は所沢駅を中心にした道路ネットワークが構築されており、商業施設に向かう車や近隣市へ通り抜ける車の集中によって渋滞が発生しやすい。特に駅周辺は片側1車線の道路が多く、施設の開業によりさらなる渋滞が予測されている。市は開業に伴う渋滞により、コミュニティーバスに遅れが発生する可能性があると注意を呼びかける。
渋滞の要因の一つとされる駅南側の踏切(東村山第7号踏切)は、ピーク時には1時間のうち計約50分間が閉まっている「開かずの踏切」だ。市は踏切の解消を目的にアンダーパス「ふれあい通り線」を整備している。線路下の工事が2028年に終了予定で、東口側の用地取得などでさらに数年かかる見通し。
市は18日、施設開業を前にふれあい通り線の側道部分を開通した。側道は車道約3メートル、歩道約2メートルの一方通行で、側道から施設駐車場に入ることができる。そのほか、周辺の交差点3カ所で右折レーンや右折信号を設置するなど、渋滞緩和策を進めている。
施設側も車利用客の分散に力を入れる。約1700台が駐車可能の立体駐車場は計四つの出入り口を備える。アプリや館内のモニターで駐車場の利用状況、出庫予測時間、周辺主要道路の混雑状況を確認可能にし、出庫時間の分散を図る。また、臨時駐車場や駅直結商業施設の駐車場の利用も促している。駐車場までの案内板の掲出や、混雑が予想される場合の誘導員の配置で、周辺の混雑予防に努めている。
施設の周辺5キロ圏には大型商業施設が少なく、近隣市から車での来店客も多いとみられる。一方で、駅から歩行者デッキを通って徒歩4分という好立地を生かし、鉄道利用を促す策も講じている。西武鉄道と協力し、条件を満たした場合にポイントを付与する「エミテラス所沢へ西武線で行こう!」キャンペーンを実施している。
施設側は「広域の来客を想定しているので、いろいろな手段を駆使して、いかに(渋滞を)抑えていくかを考えている」。市所沢駅西口区画整理事務所は「渋滞は見込まれているが、どれほど渋滞するか、(渋滞すれば)どれくらいの期間続くか、開業してみないと何とも言えない」と話している。