口げんかの末…知人を高い橋から転落させ殺害、男が否認「説教の場が偶然、橋だった。男性が逃げて落ちた」
2021/10/27/00:00
昨年8月、行田市の橋から知人男性を転落させて殺害したとして、殺人の罪の問われた、熊谷市円光、無職の男(52)の裁判員裁判の初公判が26日、さいたま地裁(中桐圭一裁判長)で開かれた。男は「殺意はなかった。男性の体を手でつかんで持ち上げて転落させていないです」と起訴内容を否認した。
冒頭陳述で、検察側は飲食店での飲酒後に代金の支払いなどを巡り口論となった後、2人は車で店を出たが、男が運転する車内で男性が飲食代の話を蒸し返すなどしたため、男性方付近を通過して橋に連れていったと説明。運転席を降りた男が助手席に回り、男性の体をつかみ欄干まで連れていき、「殺意を持って転落させた」と述べた。
弁護側は男が飲酒して悪酔いした男性を説教しようと車で連れ出した先が偶然、橋だったと指摘。顔をたたくなど男の暴行から逃れるため男性が欄干に上り、背中から落ちたとして「傷害致死罪の成立にとどまる」と主張した。
起訴状などによると、男は昨年8月14日午前1時19分ごろ、行田市の利根川に架かる武蔵大橋で、男性=当時(46)=の体を手をつかんで持ち上げ、欄干から約12・6メートル下の川に転落させ、溺水による窒息で死亡させたとされる。