秩父・芝桜の丘に手作りベンチ設置 秩父農工科高の生徒ら、市に寄贈 来場者が一息つけると好評
2019/04/19/00:00
秩父市大野原の県立秩父農工科学高校は15日、生徒たちが手作りしたベンチ9台を市に寄贈し、同市大宮の羊山公園内にある芝桜の丘に設置した。同校は2007年からヒノキの間伐材を活用したベンチを市に寄贈しており、今年で13年目。
これまでに贈ったベンチは計122台になり、来場者が一息つける憩いの場として好評を呼んでいる。
ベンチの寄贈は同校の学校演習林(長瀞町井戸)にあるヒノキの間伐材の有効利用や地域貢献などを目的に実施。ベンチは森林科学科の生徒が伐採から運搬、加工までを一貫して行っている。今回寄贈したベンチは3月に同校を卒業した15人が手作りした。
伐採したヒノキの太さは15~30センチほどで、2メートル以上の長さがある。それを約20分かけて急勾配の山道を担ぎ出す。搬出したヒノキは1年間乾燥させた後、長さ185センチ、幅40センチの4人掛けベンチに加工。高さは40センチで、お年寄りが利用しやすいよう通常のベンチより低く設定されている。
芝桜の丘で寄贈式が行われ、加藤秀昭校長が久喜邦康市長に目録を手渡した。同科の3年生9人がベンチを運んで設置すると、来場者たちは早速ベンチに座り、シバザクラを楽しんでいた。
来年用のベンチを手掛ける3年生の吉野真名さん(17)は「先輩たちの作業は大変そうだったけど、今回と同じように喜んでもらえるベンチを作りたい」と話していた。