ファンの心複雑、再生への道遠く 宝塚歌劇団の俳優急死から1年
2024/09/29/15:35
宝塚歌劇団の俳優の女性=当時(25)=の急死発覚から、30日で1年。歌劇団側は、上級生らによるパワハラを認め、遺族側に謝罪し再発防止策を打ち出すも、複雑な思いをぬぐえないファンは多い。今月、労働基準監督署の是正勧告を受けたばかりで、改善策の実施を含め、歌劇団再生への道のりは遠い。
「(急死問題が)頭をよぎりそうで、まだ観劇できない」。ファンの40代女性はそう心中を明かす。女性が所属した宙組でパワハラがあり、俳優の中に加害者がいる可能性を考えると楽しめないと言う。20代女性は「いい意味で、伝統を踏襲した新しい歌劇団に生まれ変わってほしい」と望む。
急死問題では、遺族側が過重労働などが原因の自殺と主張、3月に歌劇団と運営する阪急電鉄側が謝罪、補償することで合意した。歌劇団は再発防止に向け、過密な公演日程や過度に厳格なルールの見直し、劇団員の活動時間管理などに取り組むとした。
一方、西宮労基署は急死以降、俳優らの労働実態について立ち入り調査。歌劇団側は今月6日、是正勧告を受けたと明らかにした。