埼玉新聞

 

反政府のナワリヌイ氏は「毒殺」 ロシア独立メディアが文書入手

  •  ロシア・ウラジーミル州の刑務所からオンラインで出廷する反政府活動家ナワリヌイ氏=2022年5月(ロイター=共同)

     ロシア・ウラジーミル州の刑務所からオンラインで出廷する反政府活動家ナワリヌイ氏=2022年5月(ロイター=共同)

  •  ロシア・ウラジーミル州の刑務所からオンラインで出廷する反政府活動家ナワリヌイ氏=2022年5月(ロイター=共同)

 ロシア独立系調査報道サイト「インサイダー」は29日、北極圏の刑務所で2月に獄死し、当局が「自然死」と認定した反政府活動家ナワリヌイ氏は毒殺だったと報じた。複数の公式文書を入手し、猛毒の症状で苦しんだ様子が記載された後に削除されたと指摘。医師が毒殺との見方を示した。

 これまで公表されていなかった死亡経緯に関する捜査官作成の文書を入手した。初稿にはナワリヌイ氏の健康状態が急激に悪化し、床に倒れて激しい腹痛を訴え、嘔吐し、けいれんを起こしたことなどが医療職員に報告されたと記載されていたが、最終稿は腹痛や嘔吐に関する言及が全て削除された。

 ナワリヌイ氏が2020年、猛毒の神経剤ノビチョク系物質で襲撃された際、シベリア・オムスクで治療した医師は「公式死因の不整脈では激しい腹痛、嘔吐、けいれんの症状を説明できない。腹痛とけいれんの短い間隔は、ノビチョクと同種の有機リン系物質が使用された可能性を示唆している」と指摘。

 当局が遺族への遺体引き渡しを当初拒否し、独立調査を拒んだことも間接的証拠だとしている。

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