あっという間に時間が!宇宙劇場の元館長ら、住宅街に“プラネタリウム”オープン 星空に吸い込まれる迫力
さいたま市見沼区の住宅街にあるアパートの一室(6畳間)に、私設プラネタリウム「星と宇宙のミニ博物館・青星(あおぼし)」がオープンした。大宮区にあるさいたま市宇宙劇場で館長を務めていた糸賀富美男さん(60)と、解説員をしていた学芸員の高橋洋子さん(41)が、規模は小さいながらも本格的なプラネタリウムをはじめ、「ビニール傘に描く星座傘」などのワークショップや科学実験を提供する。
プラネタリウムは、1時間が基本で、決まったプログラムはなく、利用者の希望を聞きながら即興で解説する。今日のさいたまの星空はもちろん、自分が生まれた頃の星空、南極の星空、江戸時代の星空、または未来の星空など。「宇宙から地球へ近づいていく様子など、お好きな星空・宇宙の様子を見ていただけるのが青星の特徴。お急ぎの場合は30分コースもあるが、見たい星空を見ているとあっという間に時間は過ぎるので1時間がお薦め」と高橋さんはほほ笑む。
糸賀さんらは、同市宇宙劇場を退職した後、2018年6月、上尾市で私設プラネタリウムを開館した。大きな傘型のドームとプロジェクターを使い、専用のソフトで解説していた。寝転んで見られるスタイルや、貸し切りも可能で、小さい子どもがいる家族、大学天文部の学生、サプライズプロポーズの舞台に選ぶカップルなど、「星好きの方からご近所の方まで楽しんでご利用いただいていた」と話す。
しかし、コロナ禍で客足が激減。幼稚園や保育園などからの依頼で行う「出張プラネタリウム」も例年より減ったため、施設を維持するのが難しくなり、今年5月、やむなく閉館した。
再開した今回は、2DKのアパートを、プラネタリウム専用部屋、ワークショップ用の部屋、受付と使い分けている。糸賀さんは「雨戸を閉め、ドアも閉めれば部屋を真っ暗にできるので、投影がくっきり見える。貸し切り感もありゆったりと楽しんでいただける」と話す。「暗い所が苦手な小さなお子さんの場合は、明るさを調節することも可能。新しく入った寝転びアイテムの星座布団がいい感じなので、プラネタリウムを見ながらうっかり寝ちゃっても大丈夫」とも。プラネタリウムが投影されると、目の前いっぱいに星空が広がり、時間を早めて星空が動き始めると星空に吸い込まれそうな迫力がある。
有料ワークショップは「ビンの中の立体星座」「宇宙ちぎり絵」「天体望遠鏡制作」など10種以上、ワンコイン科学実験は「スライム作り」「CD分光器」「浮沈子」など7種。
開館時間は午前10時~午後6時。プラネタリウム、ワークショップ、ワンコイン科学実験ともに原則、事前にメールフォームから予約が必要。電話・ファクスで受け付けている。オープン記念価格で、1時間のプラネタリウムは大人千円、3歳から幼稚園以下の子ども500円。
問い合わせは、同館(電話048・793・4482)へ。