埼玉新聞

 

<統一地方選>後半戦、21日投開票 行田と北本、毛呂山で首長選 行政の継続か刷新かが焦点

  • 行田市長選、工藤正司氏(左)と石井直彦氏

  • 北本市長選、現王園孝昭氏(左)と三宮幸雄氏

  • 毛呂山町長選、井上健次氏(左)と下田俊哉氏

 統一地方選の後半戦となる市町長選と市町議選は21日、投開票される。首長選は行田・北本の2市と毛呂山町で実施。いずれも現新の一騎打ちとなり、行政の継続か刷新かが焦点となる。議員選が行われているのは、川越や川口、越谷など20市議選と、無投票となった横瀬と寄居を除く10町議選。人口減少・少子高齢化の課題に対応すべく、子育て支援や医療・福祉の充実、地域活性化策などが訴えの中心になっている。

■行田市長選

 行田市長選に立候補しているのは、前行田市議で新人の石井直彦氏(75)と、4期目を目指す現職の工藤正司氏(68)=自民、公明、立民、国民、希望推薦=の無所属2人。工藤氏が先行し、石井氏が追い掛ける。

 石井氏は、地元自治会有志らの支援を受け、街頭演説を中心に運動を展開している。行田、鴻巣、北本の3市の枠組みで鴻巣市に建設を予定している広域ごみ処理施設計画の見直しなどを訴え、「手応えはある」と陣営。

 工藤氏は商工関係など64団体の推薦も受け、組織力を生かして戦う。個人演説会では市債の削減や観光交流人口の増加など、3期12年の実績をアピール。12年ぶりとなる選挙戦に「油断はできない」と気を引き締める。

■北本市長選

 北本市長選は、前市議で新人の三宮幸雄氏(68)と、再選を目指す現職の現王園孝昭氏(72)の無所属2氏が、現新一騎打ちの予断を許さない激しい戦いを展開している。

 市長選3度目挑戦の三宮氏は街頭演説で「禍根を残すのか、希望を残すのかが市長選の争点。デーノタメ遺跡を含めて、希望はたくさんある」と市政の転換を連呼する。

 現王園氏は「子育て、健康長寿、観光振興、企業誘致の4Kで未来投資をする。さらなる躍進を目指しパワーアップさせる。衰退はさせない」と継続を強く訴えている。

 両陣営とも、20日夜には北本駅の東口、西口で最後の訴えを行う。現市政の4年間の評価が問われている。

■毛呂山町長選

 毛呂山町長選には、元県職員で無所属新人の下田俊哉氏(65)と無所属現職で3期目を目指す井上健次氏(60)=自民、公明推薦=が立候補。

 下田氏は、約40年間の県職員の経験を生かし、町長の交代で、企業誘致による財政の再建、小中学校の給食費半額化などを訴えている。

 井上氏は、企業誘致の実現、中学校大規模改造工事などの実績を強調し、3期目は小中一貫教育の推進などに取り組むと主張している。

■20市10町に729人1・20倍でしのぎ/市町議選

 選挙戦となっている20市10町議選は総定数607に対し、立候補者数は729人。平均競争率は1・20倍(前回は1・24倍)となっている。

 20市議選は総定数474に計578人が立候補。内訳は現職387、元職21、新人170人。うち女性は122人で、全体の21・1%を占める。党派別では自民54、立憲民主17、国民民主6、公明77、共産62、日本維新4、社民4、諸派19、無所属335人。

 町議選は無投票の2町(横瀬12人、寄居16人)を含む12町議選の総定数161に対し、179人が立候補。内訳は現職139、元職3、新人37人。女性は31人で、全体の17・3%を占める。党派別では自民1、立憲民主1、公明16、共産18、社民1、諸派4、無所属138人。選挙戦は無投票の2町を除く残り10町の総定数133を巡り、151人が舌戦を繰り広げている。

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