埼玉新聞

 

<高校野球>浦和学院、決勝進出逃す 山梨学院に延長10回2―9 エース打ち崩せず、打線は5安打2得点

  • 山梨学院―浦和学院 延長10回表山梨学院1死一、二塁、マウンドに集まる浦和学院の選手たち

  • 2度マウンドに上がって計6回2/3を投げた浦和学院の先発金田

 (6日・J:COMスタジアム土浦)

 第4日は準決勝を行い、秋季県大会王者の浦和学院は、山梨1位の山梨学院に延長十回の末、2―9で敗れて決勝進出を逃した。

 2―2の延長十回、浦和学院は七回から登板したエース宮城が3連打を浴びるなどして2点を勝ち越され降板。先発した金田が再びマウンドに上がったものの、さらに5点を奪われ、この回計7点を失った。打線は5安打2得点にとどまり、相手エースを打ち崩せなかった。

■継投策実らず

 浦和学院は継投策が実らず、延長十回に打者11人の攻撃を許して7点を失った。

 1―1の四回、高山の適時三塁打で勝ち越し。だが五回、山梨学院に内野安打で追い付かれた。七回に先発金田から代わった2番手宮城は延長十回に3連打などで2点を勝ち越され、再び登板した金田は守備の乱れも絡み5点を奪われた。打線も5安打2得点と、相手エースを攻略できず。

■打線の勝負強さ課題/浦和学院

 浦和学院は結果としては延長十回に7失点し、2―9の大敗となったが、終盤まで山梨学院と互角だった。勝つチャンスは十分あっただけに、森監督は「好投手を打ち崩そうと後半勝負でやっていたが、仕留め切れなかった」と唇をかんだ。

 山梨学院のエース榎谷は直球が140キロ超の本格派右腕。主将の八谷は「低めの変化球を振らないようにベンチ内で徹底していた」と、意思統一して臨んだ。ところが、球速差があるスライダーとフォークで緩急つけられ凡打の山。長打は四回にタイムリーを放った高山の三塁打のみと、自慢の強力打線が不発だった。決して相手エースが好調だったわけではない。幾度もボールが先行し、打者に有利な状況が訪れたものの、金田は「好投手相手に(バットに)当てにいってしまった」とプレッシャーを与えることができなかった。

 だが、冬を前に課題が明確になったのは収穫。県大会では打ち勝てたが関東やその上の全国で勝つには、さらなる打線強化の必要性を感じたはずだ。八谷は「追い込まれての一本、流れを変える一本を打てるようにしないといけない」と向上心を燃やす。指揮官も「個々のスキルをアップしていかなければ」と打力アップを掲げる。来春の甲子園で、浦和学院打線が快音を響かせてくれることを楽しみにしたい。

ツイート シェア シェア