心肺停止の男性が…偶然発見した店員ら心臓マッサージ必死、救急車来るまでに心拍復活 後日男性が店にお礼
2021/11/08/00:00
心肺停止状態で倒れていた男性を救助したとして、川口市消防局南消防署は、市内のパチンコ店店員の男性2人に感謝状を贈った。感謝状が贈られたのは、県内でパチンコ店を展開する産経商事(本社・川口市)の社員で、同社ウイングエース西川口店の大沢裕也さん(33)と大野恵也さん(23)。同社は、救助訓練を毎月実施し、2人は瞬時の判断や行動が身に付いており、今回の人命救助につながったようだ。
同社によると、8月16日午前10時ごろ、大野さんが店外の駐輪所に向かう途中、路上で倒れている50代の男性を発見。インカムで店内スタッフに通達し、大沢さんが駆け付けたが、男性に意識や呼吸がなく、すぐに119番に通報。その間、店内にある自動体外式除細動器(AED)や心臓マッサージなどで救命措置を施したところ、心拍が再開。救急隊に引き渡すまで約10分間の救助劇だったという。
男性は一命を取り留め、9月の退院後、直接店に訪れお礼を述べたという。
福田一之署長は「救命活動は直後の対応が人命に大きく影響する。男性は非常に危険な状態だったがお二人の適切な救命措置に感謝する」とたたえた。
大沢さんは「助けようと必死だったが、日頃の訓練のおかげで自信を持って行動できた。今後はこの経験を教える立場で伝えていきたい」と語った。
大野さんは「朝礼で『異変はすぐに連絡』が頭によぎり、発見が早くてよかった。またこのような場面に遭遇したらメモなどして連携プレーに役立てたい」と振り返った。
同社の髙橋昭二社長は「定期的に開催しているAED講習が生きた。今後も毎月救急・防災・防犯訓練を継続し、すぐに行動できる体制を強化していきたい」と話している。