現役陸上自衛隊員の中村俊太郎さん(50)が、長年の射撃訓練などで難聴を発症し、その後も必要な配慮や防止措置がされなかったのは安全配慮義務違反だとして、国に約9200万円の損害賠償を求め札幌地裁に提訴した。7月25日付。中村さんと代理人弁護士が4日、記者会見で明らかにした。
訴状などによると、中村さんは1993年に入隊し、射撃や装甲車の操縦といった騒音業務に携わってきた。97年ごろには耳が聞こえづらくなったが、陸自側は必要な健康診断や診断結果に基づいた対処を怠ってきたほか、耳栓の支給もほとんどなく、症状が悪化していったなどとしている。