埼玉新聞

 

<新型コロナ>緊急宣言の目安となる新指標策定 地方によって異なる実情、埼玉県「あくまで参考程度」

  • 新型コロナ新指標、病床逼迫前に緊急宣言 県「あくまで参考」

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は8日、緊急事態宣言の発令や対策を強化する際の目安となる新指標を策定した。病床逼迫(ひっぱく)を回避するため病床数の予測ツールなどを活用し、先手を打って宣言などの強い対策を講じられるようにしたのが特徴。新規感染者数よりも医療の逼迫状況を重視し、従来4段階だった分類を5段階にする。

 指標によると、レベル0は新規感染者数のゼロを維持、レベル1は安定的に新型コロナに医療が対応できている状況。レベル2は、感染者の増加が見られ医療の負荷が生じ始めている状況で、レベル1から2への移行は、新規感染者の増加が明確になったと都道府県が判断したときに行う。

 レベル3は、一般医療を相当程度制限しなければ、適切な医療対応ができなくなる状況で、従来のステージ3(感染急増)の最終局面やステージ4(爆発的感染拡大)に相当する。

■埼玉県「あくまで参考」

 埼玉県ではこれまで、政府の新型コロナのステージ指標を、病床確保やまん延防止等重点措置、緊急事態宣言発出を政府に要請する際の目安としてきた。県が市町村に注意を促す「警戒区域アラート」ではステージ2(感染漸増)相当を参考に、「前週同一曜日と比較し、陽性者の増加した日が直近7日間のうち4日間以上」となった場合、基本的な感染防止対策の徹底を呼び掛けるとしている。

 8月には1日当たり2千人以上の新規感染者が出るなど、ステージ4(感染爆発)相当を想定して確保していた重症病床が不足する見通しとなり、さらに上積みして重症病床を確保する事態となった。県感染症対策課はステージ指標は「あくまで参考程度」と強調する。

 大野元裕知事は政府の指標について、「現状に即していない」としてこれまで、見直しの必要性を指摘してきた。同課は「実情は地方によって違う。全国一律の指標を作るのは難しかったのでは」と分析した。

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