埼玉新聞

 

好評の「栄一ラポール給食」に児童ら満足 ゆかりあるフランス、深谷、富岡製糸場をつなぐ味 県が表彰

  • 栄一に思いをはせた「ラポール給食」=9日、深谷市立藤沢小学校

  • 「栄一のラポール給食」を盛り付け、トレーを受け取る児童

 深谷市立藤沢小学校(松沢由美子校長、児童数524人)の栄養教諭らが考案した同市出身の実業家、渋沢栄一と縁のある献立「栄一ラポール給食」が、本年度の県学校給食調理コンクール(県教委など主催)で、テーマ献立部門最高位の「県・さいたま市教育委員会教育長賞」を受賞した。フランス料理を中心にしたメニュー。9日の給食で披露された。栄養教諭の茂木美佐子さんは「いつもよりモリモリ食べてました」と献立が児童に好評でうれしそうだった。

 同部門のテーマ「外国の料理」を取り入れた。そこで栄一がパリ万博に随行していることからフランスと出身地深谷、設立に関わった群馬県の富岡製糸場の三つの地をつなぐメニューにした。ラポールは心理学用語でフランス語で「架け橋」になる。

 料理は4種。主食の「ヌイユ・ラタトゥイユ」は、野菜をふんだんに使った郷土の煮込み料理で、パスタソースとして平打ち麺の「ヌイユ」と合わせた。総菜の「マスタードチキンフリット」は揚げ物。富岡製糸場で生産した生糸に見立てた「シルクサラダ」に加え、れんが工場の設立にも関わった栄一が好んでいたとされるオートミールを使った、れんがに見立てたパンケーキがトレーの上に並んだ。

 11日は栄一の命日。児童らは栄一をしのび、足跡も学びなが給食を頬張った。6年生の高橋未来さんは「フランスっぽく外国を旅したように感じました」と満足そう。パンケーキがふわふわしておいしかったという猪狩葵さんも「栄一翁のようにどんな時でも頼られる大人になりたい」とほほ笑んだ。

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