埼玉新聞

 

市長選と期間重なり投票用紙が4枚 区割り変更で担当区増 衆院選 準備に追われる選管

  • 埼玉県新選挙区

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 15日に公示、27日の投開票が見込まれている衆院選。埼玉県内の各選挙管理委員会は投票整理券の発送の用意などを進めているが、自治体の中には市長選と選挙期間が重なったり、衆院小選挙区の区割り見直しで担当区が増えるところも。予想より早い総選挙に慌ただしく準備に追われている。

■投票用紙が4枚に/入間市

 任期満了に伴う入間市長選は予定通り13日告示、20日投開票で実施される。1日に開かれた市選挙管理委員会の定例会では、衆院選と市長選の投開票日を同じ日にする可能性も協議されたが見送られていた。

 市長選は投票所整理券の作成や、立候補者のポスター掲示場の設置をすでに終えており、選挙日程が変更された場合は作り直す必要があった。

 ただ、同日選は回避されたものの、27日は市内の一大イベント「万燈まつり」も行われるため、職員の人手に余裕はないという。

 衆院選の期日前投票は16日から。期間が一部で市長選と重なるため、慎重な作業が求められている。

 市選管は「市長選と衆院選が重なる期間があるので、投票用紙が4枚(市長選1枚、衆院選3枚)になる。受け付けでのミスや、投票箱の入れ間違いなどがないようにしたい」と話している。

■担当者負担大きく/白岡市

 任期満了に伴う白岡市長選・市議補選は11月10日告示、同17日投開票で、衆院選の投開票が11月に行われる場合は経費削減や投票率向上のため日程をずらして同日選になる可能性もあった。総選挙は10月27日に実施されることになり、市長選・市議補選は予定通り行われるが、選挙が続くことになる。

 市選管によると、同日選で使われる投票箱の確保などの心配はなくなるものの、選挙事務の負担は「ほとんど変わらない」という。

 補助を含め4人の担当者は衆院選の公示前から1カ月間余り、問い合わせへの対応なども含め連続して従事することになり、長時間労働につながる恐れも。国や県と違って職員数が少ないため、他部署から応援を得るのも難しい。

 市選管は「担当者の負担は相当大きい。周りの職員がフォローする態勢を整え、ミスなく適正に執行できるようにしたい」と話している。

■管轄増も区分明確/さいたま市

 さいたま市は、今回の衆院選で1、5区に分割されていた見沼区が1区に、岩槻区が前回までの1区から16区に改定され、管轄が3選挙区から4選挙区(1、5、15、16区)に増える。ただ、市選管は「区割りが区単位になり、望む形になった」と歓迎している。

 見沼区の一部が5区に組み込まれた2017年と21年は1、5区の二つの開票所を用意するなどの対応に追われた。

 今回は22年12月に衆院選小選挙区の区割り改定が決定してから市報の岩槻区、見沼区版で伝えたり、岩槻区全域と見沼区の該当地域の自治会の回覧で知らせた。

 今後、発送する投票所整理券の封書に、整理券とともに注意事項の紙に区割り変更の案内と地図を入れ込むという。

 市選管の担当者は「大変厳しい日程だが、ミスのないようにしっかりと準備を進めていきたい」と話した。

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