埼玉新聞

 

<高校サッカー>安定感増す浦和南、攻守で完成度高い西武台 全国への切符は…14日決勝、見どころ探る

  • 準々決勝以降の組み合わせ

  • 優れた状況判断でピンチの芽を摘む浦和南のDF坪井

  • 1対1の対応とヘディングで強さを見せる西武台のDF原田

 サッカーの第100回全国高校選手権埼玉大会(埼玉新聞社など後援)は14日、浦和南―西武台の決勝が行われる(無観客のため、会場と試合時間は非公開)。浦和南は3年ぶり10度目、西武台は11年ぶり4度目の優勝を目指す。両校が選手権を懸けた決勝で顔を合わせるのは初めて。勝者が全国高校選手権(12月28日~来年1月10日・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場ほか)に出場する。1枚の切符を争う熱戦の見どころを探った。

 6月の関東大会覇者の西武台は攻守で完成度が高い。今季、浦和南とは3度対戦し2勝1分け。4月の関東大会県予選準々決勝は1―0、S1リーグでは0―0、3―0だった。浦和南は勝ち上がるごとに安定感が増している。両校とも守備が堅く、先制点の行方が試合の流れを左右しそうだ。

 浦和南は4試合無失点と組織された堅守が生命線。坪井、戸部の両CBが中心となり、最終ラインを統率。ラインをコンパクトに保つことで相手から攻撃の手数を奪いたい。坪井は状況判断にたけ、戸部はハイボールへの対応に強い。

 攻撃の核はMF大里。技術を生かし左サイドから好機を築きたい。自らゴール前に迫る突破力もあり、準々決勝、準決勝と2戦連発中だ。ヘディングが強みのFW立沢も2試合連続ゴールと勢いがある。

 果敢にプレスを仕掛け、優位性を保ちたい。立沢、坂本ら前線の選手も積極的に相手ボールを奪いにいく。チーム全体で球際での集中力が高く、徹底的にマイボールにこだわる意識が浸透。一丸となったプレーでロースコアの展開に持ち込み、勝負強さを発揮したい。

 西武台は、武蔵越生や武南などの難敵を攻略。攻撃の中心はエース市川だ。今大会5得点の決定力に加え、ポストプレーで周囲を生かす。準々決勝で細田、準決勝では松原と、2トップの一角として今大会初先発の選手が得点するなど、厚い層が活性化。決勝での選手起用も注目となる。

 今大会では9人が得点をマーク。攻撃は多彩で分厚い。準決勝ではショートコーナーから河合、スローインを起点に市川がゴールするなど、セットプレーに威力がある。和田のロングスローも得点の呼び水となる。

 素早いプレスも持ち味。左サイドバックの安木は高い位置で勝負ができ、得点の足掛かりになり得る。GK浅沼は準決勝で好セーブするなど、守備陣も安定。4試合連続途中出場で攻守の潤滑油であるMF吉野は試合の局面を動かす力を持つ。

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