埼玉新聞

 

袴田さん、無罪確定へ 検事総長、再審控訴断念を表明

  •  無罪判決を受け、集会であいさつする袴田巌さん。右は姉ひで子さん=9月29日、静岡市

     無罪判決を受け、集会であいさつする袴田巌さん。右は姉ひで子さん=9月29日、静岡市

  •  支援者らと日課の散歩に出かける袴田巌さん(左)。再審無罪とした静岡地裁判決に対し、検察が控訴断念を発表した=8日午後4時19分、浜松市

     支援者らと日課の散歩に出かける袴田巌さん(左)。再審無罪とした静岡地裁判決に対し、検察が控訴断念を発表した=8日午後4時19分、浜松市

  •  無罪判決を受け、集会であいさつする袴田巌さん。右は姉ひで子さん=9月29日、静岡市
  •  支援者らと日課の散歩に出かける袴田巌さん(左)。再審無罪とした静岡地裁判決に対し、検察が控訴断念を発表した=8日午後4時19分、浜松市

 1966年の静岡県一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の裁判をやり直す再審で、無罪とした静岡地裁判決に対し、畝本直美検事総長は8日、控訴しないと表明した。事件発生から58年を経て、袴田さんの無罪が確定する。控訴期限は10日だった。畝本氏は談話で「結果として相当な長期間、法的地位が不安定な状況に置かれた。申し訳なく思う」と謝罪した。最高検は再審請求手続きが長期間に及んだことについて検証する方針。

 戦後、死刑事件の再審無罪判決は袴田さんで5例目。

 袴田さんの姉ひで子さん(91)は浜松市内で記者団の取材に応じ「一件落着でやっと一区切りがついた気がする」と話した。

 検察側は再審公判で有罪を主張し、死刑を求刑していた。畝本氏は談話で、袴田さんが長期間、法的地位が不安定な状況に置かれたことを考慮したとし「検察が控訴し、その状況が継続することは相当ではないとの判断に至った」と説明。一方で静岡地裁判決が捜査機関の証拠の捏造を認定した点について「強い不満を抱かざるを得ない」とも表明した。

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