コロナでのオンライン授業は出席停止 保護者ら不安…さいたま市、出席日数を記載へ 出席扱いにはせず
さいたま市教育委員会は22日、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言中のオンライン授業について、参加した児童生徒の指導要録に、本年度から出席日数を記載すると発表した。「出席停止・忌引等の日数」の欄に記載されるため、保護者から取り扱いの変更や不安の声が上がっていた。福岡市などは出席扱いとしているが、市教委は文部科学省の方針に従って、「取り扱いの変更はしない」とした。
細田真由美教育長は同日の会見で、「授業ばかりでなく、教諭と子どもや子ども同士の関わりを含めて登校、出席と見なすとした文科省の考え方に、一定の理解をすることができた」と述べ、出席扱いに変更しない理由を説明した。
市教委指導1課によると、指導要録の「出席停止・忌引等の日数」の欄に、「オンライン特例授業出席日数」を記載する。通知表の備考欄にも記載するように、各学校に求める予定。24日に実施する校長会で概要を説明する。
市教委は緊急事態宣言中の今年8~9月、希望する児童生徒に対してオンライン授業を実施。文科省の通知に基づいて、参加した児童生徒を出席停止の扱いにした。文科省は進学などで不利益を受けないとしており、細田教育長も「欠席扱いにならず、全く不利益にならない」と述べた。
清水勇人市長と細田教育長は10月、文科省に要望書を提出。文科省は自治体の判断で、「出席停止―」欄の名称を変更可能とする通知を出した。
市立小学校で子どもがオンライン授業を受けていた母親は取材に「市長と教育長が問題と捉えて、文科省に話してくれたことはありがたい」としながら、「言葉を変えれば不安を払拭(ふっしょく)できるわけではない」と述べた。感染拡大により再びオンライン授業が始まれば、「無理をして出席させる保護者もいると思う。保護者が安心してオンライン授業を選択できるように、シンプルに出席扱いにしてほしい」と話していた。