埼玉新聞

 

行田市長選 石井氏、75歳の再挑戦で雪辱 自治会有志の草の根運動で広がる輪 強い組織力の現職破る

  • 行田市長選で初当選し、支持者と握手を交わす石井直彦氏(右)=21日午後11時すぎ、行田市西新町の選挙事務所

 統一地方選の後半戦が21日、投開票された。いずれも現新の一騎打ちとなった行田・北本の2市長選と毛呂山町長選。行田市長選は、前市議で新人の石井直彦氏(75)が4選を目指した現職の工藤正司氏(68)を破り初当選した。

 北本市長選も、前市議で新人の三宮幸雄氏(68)が現職の現王園孝昭氏(72)を破り初当選。毛呂山町長選は、現職の井上健次氏(60)が新人の下田俊哉氏(65)を退け3選を決めた。

■草の根の運動が浸透/行田市長選

 「市民の皆さん一人一人のおかげ。行田をもっとにぎやかな、まちにしていきたい」。行田市長選で初当選した新人の石井直彦氏(75)は21日夜、同市西新町の選挙事務所に集まった支持者の前で喜びを語った。

 市長選は過去2回、無投票が続いていた。市民の間で「これで3回連続か」との見方が強まった今年2月、出馬を表明。4選を目指した現職の工藤正司氏(68)は、2007年の市長選で敗れている因縁の相手。2度目の挑戦で雪辱を果たした形だ。

 選挙戦では、鴻巣、北本の3市の枠組みで鴻巣市に建設を予定している広域ごみ処理施設計画を最大の争点に掲げ、「経済効果や市民負担の観点から行田市に造るべき」と主張。市職員出身の市長が続く現市政を「なれ合いの行政」と批判し、民間の感覚を取り入れると明言した。

 一方、自身は75歳という年齢を考慮して当選後の任期は1期限り、副市長を公募し、かじ取りの後継者とすることを約束した。

 強い組織力を誇る工藤氏に対し、地元自治会有志らによる草の根の運動で徐々に浸透。終盤に入ると、「小さかった支援の輪が広がり、確かな手応えを感じている」と自信を見せていた。

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