<新型コロナ>オミクロン株の濃厚接触、埼玉は5人 空港の検査では全員陰性、2日までに宿泊療養施設入る
大野元裕知事は1日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染が国内で初めて確認された男性の濃厚接触者が県内に5人いると発表した。全員が2週間、県内宿泊療養施設で健康観察を行う。知事は「われわれはアンテナを高く持ちながら、感染拡大を防ぐための措置をとる」と危機感を述べ、政府に水際対策と検査体制のさらなる強化を求めるとした。
11月30日に感染が分かった、アフリカ南部ナミビアの30代男性外交官が乗っていた飛行機の同乗者。厚労省は同日、男性外交官と同じ飛行機に乗っていた人について「さらなる科学的知見が得られるまでの間、座席位置にかかわらず濃厚接触者として対応する」とする事務連絡を都道府県などに通知している。
健康観察を行う5人は県内在住。入国時に空港で行った検査では陰性で、いずれも無症状という。また、県が1日に行ったPCR検査でもいずれも陰性だった。陽性者ではないため、国籍や性別、年代など属性は発表されない。
2日までに県内宿泊療養施設に入り、国の通知に基づき健康観察を行うとともに、今後2日に1回程度、PCR検査を行うとしている。
オミクロン株は南アフリカが初めて報告し、感染力が増したり、ワクチンが効きにくくなったりしている可能性が指摘されている。30代男性外交官は11月28日の入国時は無症状だったが、同29日に発熱の症状を発症。入国時の検査で陽性と判定され、ウイルスのゲノム(全遺伝情報)を解析した結果、オミクロン株と判明した。男性は7月に米モデルナ製ワクチンの2回目接種を済ませていた。
男性外交官と同じ飛行機に乗っていた人は、東京都では40人程度、千葉県では10人程度、神奈川県では8人いたと発表されており、いずれも宿泊療養施設に移るなど、今後の健康観察が予定されている。