埼玉新聞

 

<新型コロナ>接種済みも…埼玉5人感染 オミクロン株に備え始めた埼玉、第5波ピークを上回る病床確保へ

  • 大野元裕埼玉県知事

 埼玉県などは2日、新型コロナウイルス感染者を新たに5人確認したと発表した。前週同曜日から5人減り、3日ぶりに10人を下回った。感染者の内訳は、県発表が4人、川越市が1人、さいたま市、川口市、越谷市はそれぞれ0人。

 これまでに確認された感染者は11万5855人(チャーター便帰国者含む)、死者は1057人(2日午後6時現在)。

 2日夜時点の重症者は5人、感染者の入院は34人、宿泊療養10人、自宅療養18人。退院・療養終了は11万4733人。

 県によると、県管轄で詳細が判明したのは、10歳未満~50代の男性3人。50代男性1人はワクチンを2回接種済みだった。

 川越市によると、感染が判明したのは30代女性の1人。

 川口市によると、新規の感染は0人。一方、市福祉部に勤務する都内在住の20代男性職員の感染が分かった。職場に濃厚接触者はいないという。

■オミクロン株など未知の部分が

 大野元裕知事は2日、新型コロナウイルス感染拡大の「第6波」に備えるとともに、新たな変異株「オミクロン株」の感染が国内でも確認されたことを受け、県内病床を「第5波」のピーク時に確保した1904床を272床上回る2176床を確保すると発表した。大野知事は記者団に「適切な保健、医療両面の体制を構築する。オミクロン株など未知の部分も出てくる可能性がある。感染対策とワクチン接種を進め、知見ができるまで、可能な限り(感染拡大を)後ろ倒しにし、治療ができるようにする」と述べた。

 病床確保計画は、1日当たりの新規感染者が2169人となった第5波のピーク時(8月19日)の人数に8%上乗せし、2338人の新規感染者を想定して作成された。

 想定される最大要入院者数は1850人(第5波時の最大は1354人)。病床稼働率85%を見込み、2176床(重症240床、その他1936床)を確保する。現在1904床を確保しており、さらに公立公的病院で142床分、医師や看護師らの配置が可能で、中等症患者への医療措置ができる機能を持たせた宿泊療養施設で130床分を上乗せする。

 保健所機能の強化では自宅療養者数を最大1万9703人(第5波ピーク時1万7399人)と想定。最大で看護師129人、事務職員120人を派遣し、全陽性者に陽性判明から遅くとも翌日までに最初の連絡ができるようにする。

 また、政府の新型コロナ分科会が11月、感染状況を分類する5段階の新指標をまとめたことを受けた県の新たなレベル分類の考え方についても説明。医療のひっ迫具合や感染状況を保健所単位などでより細かく調べ、レベル移行は指標を参考に総合的に判断することなど、必要な対策を機動的に実施するとした。

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