<新型コロナ>無料PCR検査、埼玉で今月末から 383億円の補正予算案 薬局、飲食店などで実施
埼玉県は8日、新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る狙いで、県民が薬局などでPCR検査を無料で受けられる費用などを盛り込んだ383億1641万円の2021年度一般会計補正予算案を固めた。同日開かれた県議会12月定例会の議会運営委員会に方針を示した。14日の上程を予定しており、砂川裕紀副知事は議運で「国の経済対策に基づく補正予算の一部に迅速に対応する」と述べた。可決すれば、12月末から来年3月末までPCR検査が実施される見通し。
PCR検査は12歳未満も対象とする。国が進める「ワクチン・検査パッケージ」定着のため、基礎疾患があったり、アナフィラキシーショックの副反応の恐れがあるなど、健康上の理由でワクチン接種を受けることができない人を対象に、99万回分のPCR検査を無料化する費用として76億7250万円を充てる。
ワクチン接種済みの人を含め、感染拡大傾向時に感染不安などを理由にPCR検査を希望する人向けに271万回分を無料化する費用として210億250万円を計上する。
検査はドラッグストアや薬局、飲食店、イベントなどでの実施を想定。アクリル板や動線の設置など、検査事業者の体制整備への助成を行うほか、今月23日に開設予定の事業者や県民向けのPCR検査についてのコールセンター運営には11億6591万円を充てる。
生活に困る人々への支援では、生活福祉資金特例貸付の受付期間が11月末から来年3月末までに延長されたことに伴い、県社会福祉協議会に原資となる53億3484万円の助成を行う。
県内への観光需要を回復させるため、県内および隣接する都県の観光客を対象に、旅行代金の補助、クーポンの配布などを行う新たな観光応援キャンペーンを来年2月上旬から3月10日まで実施(31億4065万円)する。
補正後の一般会計累計は2兆6375億5877万円。