埼玉新聞

 

とっさの判断…大学生ら必死、川で男性を救う トレーニング準備中だった大学生ら、目の前で男性が飛び込み…ボートで救助 一命を取り留め、「いつでも対処したい」と語って称賛

  • 感謝状を贈られた中央大学漕艇部の(右から)児玉剛始ヘッドコーチ、根本竜男監督、高瀬由祐さんと山並俊彦蕨署長=21日午前、蕨署

    感謝状を贈られた中央大学漕艇部の(右から)児玉剛始ヘッドコーチ、根本竜男監督、高瀬由祐さんと山並俊彦蕨署長=21日午前、蕨署

  • 感謝状を贈られた中央大学漕艇部の(右から)児玉剛始ヘッドコーチ、根本竜男監督、高瀬由祐さんと山並俊彦蕨署長=21日午前、蕨署

 人命救助に功労があったとして埼玉県警蕨署は21日、中央大学漕艇部監督の根本竜男さん(55)、同ヘッドコーチの児玉剛始さん(52)、同部所属で同大法学部3年の高瀬由祐さん(21)に感謝状を贈った。

 同署によると3人らは9月28日午前6時半ごろ、戸田市の荒川河川敷でトレーニングの準備をしていたところ、川の水の中に膝まで漬かり、前かがみとなっている高齢男性を発見。危険を感じた根本さんらが岸に上がるよう伝えたが、一度、陸に上がった男性はその後、護岸から自ら川の中に飛び込んだという。

 目撃した児玉さんらがボートを出し、浮き輪を使って男性を岸に引き上げて救助。高瀬さんは「荒川でおぼれているご老人がいる」と110番通報し、男性に自発呼吸があることや、意識があることなどを適切に伝え続けた。救助された男性は児玉さんらに、自殺をほのめかすようなことを話していたという。

 同部は当時、今月20日までに、戸田ボートコース行われた「全日本新人ローイング選手権」に向けた練習中。大会で同大は「男子エイト」で7年ぶりの優勝を飾った。

 高瀬さんは「基礎知識があり、迅速に対応できた。チーム全員でいつでも対処できるようにしたい。とっさの出来事の中、命を救うことができ、ほっとしている」と話した。
 

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