埼玉新聞

 

人が燃えている!枯れ草を焼却しようとした女性、上半身火だるまに 通った男性2人、素手でたたき消し救助

  • 初期消火で人命を救助した樹森信雄さん(中央)と小倉敬翁さん(右)。左は鈴木順一消防長=羽生市藤井下組の同市消防本部

 羽生市発戸で枯れ草を焼却しようとして誤って火が衣服に燃え移り上半身火だるまになった女性(89)を、迅速で的確に初期消火して人命を助けた功績で、羽生市消防本部(鈴木順一消防長)は1日、同市上村君の樹森信雄さん(73)と加須市上三俣の小倉敬翁(のりおう)さん(67)に同本部で感謝状を贈った。

 2人は11月20日午前10時半ごろ、樹森さんが運転する乗用車で現場を通り掛かった。「畑で人が燃えている」と、ほぼ同時に目撃。車を止めると、樹森さんと助手席の小倉さんが飛び出し、女性に駆け寄ると、衣服の火を素手でたたき消した。水もかけた。

 女性は自宅南の畑で枯れ草を焼却しようとロウソクで火を付けた際、誤って首に巻いていたタオルに火が付き、上半身が火だるま状態になった。2人が迅速な行動で着衣の火を初期消火してくれたため、救急搬送されてやけどによる重症だが、命に別状はなかった。

 樹森さんは「偶然だが、現場に通りかかって幸いした。女性を助けることができて良かった」。小倉さんは「人が燃えている状況を見れば、誰でも消しに行くと思う」と話した。無我夢中で素手で火を消しにかかったという。やけどはしなかった。

 鈴木消防長は「枯れ草などを焼却しようとして誤って衣服に火が付く事故は多い。消費者庁の統計によると、着衣着火事故で毎年全国で100人前後が亡くなっている。羽生市でも2019年と今年、着衣着火で高齢男性が亡くなっている。2人の迅速で的確な行動で、女性の命が助かって良かった」と話した。

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