埼玉新聞

 

最低生計費27・4万円の根拠は? 「今」の若者リアルに分析 必要な物品を一つ一つ積み上げ試算 利用頻度の高い量販店の価格も調査 家電や洋服、衛生用品まで多岐にわたり

  • 店舗で各物品の価格を記録する調査参加者ら=9月27日、さいたま市浦和区

    店舗で各物品の価格を記録する調査参加者ら=9月27日、さいたま市浦和区

  • 店舗で各物品の価格を記録する調査参加者ら=9月27日、さいたま市浦和区

 県労働組合連合会(埼労連)加盟組織のメンバーらは9月7日、さいたま市浦和区の会議室で最低生活費調査の合意形成会議を開いた。会議では、4~7月に実施した調査で得られた回答の中で、意見が分かれた部分について話し合い、市場調査に向けて合意を図った。参加者らは調査対象の若年層の立場で、標準的な生活に必要な物品について意見を出し合った。

 「最近の男性は化粧水や乳液などの基礎化粧品を使うんでしょうか」「私の夫は(さまざまな効果が一つにまとまった)オールインワンを使っています」―。調査は生活に必要な物品を一つずつ積み上げる「マーケットバスケット方式」で、参加者が話し合う項目は家電や洋服、衛生用品まで多岐にわたる。年齢や職業、居住地域まで、「今」の若者を分析し、リアルな対象者像を描いた。

 9月下旬には、利用頻度の高い量販店などの店舗を実際に訪れ、価格調査を行った。一つの品物につき、高いものや安いものの価格を記録した。

 調査を監修した静岡県立大学短期大学部の中沢修一准教授は「本来は国や行政が積極的に行うべき調査だが、市民自らが生活に必要な経費を測り、訴えていく意義は大きい」と話した。

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