埼玉新聞

 

最高!さいたまクリテリウム、初出場のギルマイ選手が優勝 大雨の中、白熱のレース展開 力強い走り、多くの観客を魅了 今年は10回記念大会、市内の小学生ら4千人を初めて招待 さまざまなイベントも開催

  • 表彰式で観客の声援に応える優勝したビニヤム・ギルマイ選手(右から2人目)ら

    表彰式で観客の声援に応える優勝したビニヤム・ギルマイ選手(右から2人目)ら=2日午後、さいたまスーパーアリーナ

  • メインアリーナ内をニュートラルスタートしていく選手たち

    メインアリーナ内をニュートラルスタートしていく選手たち=2日午後、さいたまスーパーアリーナ

  • 10回記念大会で行われたキッズクリテリウムの4歳レース

    10回記念大会で行われたキッズクリテリウムの4歳レース=さいたまスーパーアリーナのコミュニティアリーナ

  • 表彰式で観客の声援に応える優勝したビニヤム・ギルマイ選手(右から2人目)ら
  • メインアリーナ内をニュートラルスタートしていく選手たち
  • 10回記念大会で行われたキッズクリテリウムの4歳レース

 自転車ロードの国際レース「2024ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」が2日、埼玉県さいたま市のJRさいたま新都心駅周辺で開催され、国内外のトップライダー49人が出場したメインレースは初参戦のビニヤム・ギルマイ選手(24)=エリトリア=がゴール前で差し切り優勝。雨が降りしきる悪条件の中、白熱のレースを展開し、沿道やさいたまスーパーアリーナに詰めかけた観客を魅了した。

 日本を初めて訪れたというギルマイ選手は記者会見で、「世界から最高の自転車選手が集まる大会で優勝できたのは特別なこと。さいたまの地で勝ててとてもうれしい。勝ち方も最高」と喜びを表現。「こんなに大勢の人が来てくれるとは思わなかった。大雨の中、沿道で自分の名前を呼んでくれて感極まった。また来年、さいたまに帰ってきたい」とファンに感謝した。

 大会は今回が節目となる10回目。メモリアルイヤーを迎え、スーパーアリーナのメインアリーナを初めてコースとして使用したほか、市内の小学1~6年生をアリーナに無料招待したり、子どもたちがコミュニティアリーナ内に再現した特設コースを走る「キッズクリテカップ」など、さまざまな催しや取り組みを実施した。

■雨中のレースに熱い声援 

 今年は10回記念大会で、さまざまなイベントが行われた。雨の中、沿道には多くの観客が集まり、国内外のトップ選手の力強い走りに熱い声援を送っていた。

 オープニングセレモニーの後、選手紹介、オープニング走行が行われ、チームと個人のタイムトライアルレースやパラサイクリングレースなどが実施された。

 クリテリウムメインレースでは、雨脚が強くなる中、沿道から「アレ!アレ!」「ゆきやー」など声援やお気に入り選手を呼ぶ声が飛び交った。静岡県富士市の鴻田なつみさん(34)は大学時代に自転車競技を経験、現在は自転車店に勤めているという。カヴェンディッシュ選手を応援し「ロードレースが好き。海外の有力選手が見られる大会は国内にあまりないので貴重。毎年訪れている」。第1回大会から観戦に来ているという都内の女性は「雨の中の大会も面白い。選手の駆け引きや助け合いも魅力」と話した。

 コミュニティアリーナで行われた「キッズクリテリウム」では、クリテリウムのコースを再現してストライダー(ペダルとブレーキがなく、足で蹴ってこぐ自転車)で競う「キッズクリテカップ」が行われた。ミニフットゴルフ、ブレイクダンスなどさまざまなスポーツやワークショップが体験できる「スポコミフェス」、チアで大会を盛り上げる「チアフェス」も催された。

 孫の凛太朗さん(4)がレースに参加したさいたま市の竹村真弓さん(59)は、コース脇で熱心にスマホ撮影。「頑張って」と声をかけていた。同じく岡安咲蒔さん(4)もレースに参加。「負けちゃったけど、楽しかった」と話し、父親の洋教さん(42)が「途中でやめてもいいかなと思ったけれど、頑張って最後まで走ったね」とねぎらっていた。

 今回は初めて市内の小学生と保護者ら計約4千人がアリーナに招待され、スタンドから応援した。浦和区の小田島汐里さん(34)は針ケ谷小4年の楓香さん(10)と同1年の新菜さん(7)と共に訪れた。「去年は外で見たので、今年は招待されて、ありがたく来た。アリーナで観戦できるのはスペシャルな感じ」とうれしそうだった。

 ステージイベントでは、埼玉栄高吹奏楽部などの演奏のほか、ダンスパフォーマンス集団「アバンギャルディ」のパフォーマンスが行われ、周辺では飲食の「さいたまるしぇ」が開催された。

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