さいたま市伝統の食文化「浦和のうなぎ」を満喫してもらおうと、1886（明治19）年創業の老舗川魚料理店「うらわのうなぎ萬店（まんだな）」（さいたま市南区）は3日、創業138年を記念した恒例の「鰻重食べ放題」を開催した。

　イベントは今年で4回目。さいたま市に移住してきた人に浦和の食文化を知ってもらうとともに、何世代にもわたり来店するお客さまへの感謝の思いを込め企画した。

　今年の応募者数は全国から約1万6千人。202倍の倍率を突破した計76人（午前／午後2部制）が、老舗の味を心ゆくまで堪能した。

　親子枠の午前の部では、うなぎのつかみ取りを体験。ぬるぬるとしたうなぎに悪戦苦闘しながら、貴重な経験を楽しんだ。缶詰作り体験は、うなぎのたれが入った筑前煮の缶詰を製造。缶には思い思いのイラストを描いた。

　鰻重食べ放題は制限時間45分で、1食目は松重（通常価格5600円）、2食目は白焼きの鰻重、3食目以降は松重を満喫。金子剛社長は「皆さまの心意気で、創業祭という晴れの日が好天に恵まれた。浦和のうなぎを存分に食べていただきたい」と伝えた。

　同市中央区から訪れた野中康宏さん（46）は「子どもの退院祝いに申し込んだ。人生で過去最高にうなぎを食べることができて、心もお腹もいっぱい」と笑顔。娘の彩笑さん（12）は「すごい企画だと思った。うなぎが本当においしかった」と話した。